ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

遺憾なり韓国警備艦

2018-11-26 16:42:04 | 日記
義を見てせざるは勇無きなり
人としてなすべきことと知りながら、それを実行しないのは勇気がないからで
ある。

『論語』の一節らしいが、この教えは現代でも立派に通用する。それは「して
はいけないこと」なのかどうか。そのことを知らないのなら、致し方ない。し
かし、そのことを知りながら、それをしてしまった場合、つまり、それは「し
てはいけないこと」だと知りながら、それをやってしまった場合、人は謝罪す
るべきだろう。謝罪するべきだと知りながら、それを実行しないとしたら、つ
まり謝罪しないとしたら、その人は勇気のない卑劣漢だということになる。

さて、先日、こんな報道があった。

第9管区海上保安本部(新潟)は21日、能登半島沖日本海の漁場「大和堆
(たい)」付近で20日、日本の漁船が韓国海洋警察庁の警備艦から、操業を
やめて海域を離れるよう無線で要求されたと発表した。韓国警備艦が漁船に接
近したため、海上保安庁の巡視船が阻止した。けが人などはなかった。政府は
外交ルートを通じて韓国側に抗議した。
                     (毎日新聞11月21日)

この事件があった現場は、日本の排他的経済水域(EEZ)内である。日本の
排他的経済水域内で日本の漁船が操業することは、国連海洋法条約で認められ
ている。韓国の警備艦乗務員は、そのことを知らなかったのだろうか。

知らぬはずはあるまい、と言いたいところだが、韓国のことである。この国の
大法院が先ごろ、日韓請求権協定を蔑ろにした判決を下したことを思えば、警
備艦に乗務していた韓国海洋警察庁の職員が国連海洋法条約のことを知らな
かったとしても、べつに驚くことではない。むろん日韓漁業協定のことも知ら
なかったのだろう。

知らなかった、で済まされぬこともあるが、なにせかの国のこと、その国情を
考慮して、それはまあ良しとすることにしよう。

問題は、その先である。韓国側の行為に対し、外務省は「日韓漁業協定に反し
た行動は受け入れられない」と抗議したという。日本側のこの抗議は韓国側に
届き、韓国海洋警察庁の職員にも伝わったはずだ。警備艦の乗務員でもいい、
彼らが所属する韓国海洋警察庁の幹部官僚でもいいが、彼らは日本側の抗議を
通して、自分たちが「してはいけないこと」をしてしまったことを、知ったは
ずだ。

その場合、彼らはどうすべきなのか。「勇なき卑劣漢」にならないために、彼
らはどうすべきなのか。

彼らが実際どうしたかは、次のニュースが物語っている。

菅義偉官房長官は22日の記者会見で、韓国警備艦が日本の排他的経済水域
(EEZ)内で日本漁船に操業停止を要求したことに関し、「明らかに日韓
漁業協定に反しており、断じて受け入れることはできない」と述べ、外交ルー
トを通じて抗議したと説明した。韓国側からは「警備艦が管轄権を行使したこ
とは遺憾であり、再発防止に努めたい」との返答があったという。
                    (JIJICOM.11月22日配信)

「遺憾である」は「残念である」の謂であり、この言葉に謝罪の意味は含まれ
ていない。「謝罪をすれば、非を認めたことになる」と彼らは考えたのだろう
が、この場合は明らかに韓国側に非があるのだから、非を認めて謝罪しなけれ
ば、イカンだろう。はなはだ遺憾なことである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする