ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

アメリカ中間選挙 その後に来るもの

2018-11-09 11:35:58 | 日記
アメリカの中間選挙が終わった。結果はビミョーである。上院では与党・共和
党が過半数を維持したものの、下院では野党・民主党が8年ぶりに多数派を奪
い返した。上院と下院で、多数派が異なる「ねじれ」の現象が生じたことにな
る。

これでやっと、トランプ大統領の暴走にもブレーキが掛かることになるだろ
う。この暴走老人も、政権運営のためには、野党・民主党との妥協を強いられ
ることになるからである。

しかし、「暴走」が売り物だったこの大統領が暴走を止めたら、どうなるのか。
彼に対する支持率が下がることは目に見えている。

懸念されるのは、彼が支持率を回復しようとして、これから何をするかであ
る。対中貿易戦争を激化させ、対日貿易摩擦をさらに煽り立てるなど、彼は外
交面でこれまでの強硬姿勢をいっそうヒートアップさせ、国民の支持をつなぎ
とめようとするのではないか。

だがその前に、彼の矛先はアメリカ国内の弱者に向かうかも知れない。
私がそう思ったのは、次の事件を思い出したからである。

埼玉県和光市のマンションで80代夫婦が刃物で殺傷された事件で、祖母に対
する殺人未遂容疑で逮捕された孫で中学3年の男子生徒(15)が、県警の調
べに「学校に許せない生徒がいて殺すつもりだったが、家族に迷惑をかけたく
ないので、まず家族全員を殺してから実行するつもりだった」という趣旨の供
述をした。捜査関係者が明らかにした。
                      (毎日新聞10月20日)

いじめを受けた相手に、少年は殺意を募らせた。だが、クラスの生徒は渡り合
える相手ではないので、彼の殺意は渡り合える身近な弱者、祖父母に向かった。
そういうことだろう。

トランプ大統領が渡り合えるアメリカ国内の弱者、それは女性たちということ
になるのだろうか。だが今回の中間選挙で、与党・共和党を下院の過半数割れ
に追い込んだのはウーマン・パワーにほかならない。いくら女性蔑視のトラン
プ大統領でも、この事実は蔑ろにできないはずだ。

とはいえ弱者は国内の貧困層、というこれまでの政治の常識も、トランプ政権
には通用しない。自らの支持基盤がラストベルトの貧しい労働者たちであるこ
とを、トランプ大統領はよく知っている。

残るのは移民である。今、中米ホンジュラスから数千人規模の集団が、貧困や
治安の悪化から逃れるため、アメリカに向かってメキシコを北上中だという。
そういう人たちも含め、国内の移民たちに向けられるトランプ大統領の眼差し
は、今後、ますます厳しさを増すことだろう。
コメント
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