日産自動車のカルロス・ゴーン会長が、金融商品取引法違反の疑いで東京地検
特捜部に逮捕された。2011年からの計5年間、その役員報酬額が実際には
99億8000万円だったのに、計49億8700万円と虚偽の記載をしていたとい
う。よく分からないが、どうせ脱税が目的だろう。私はそう思った。
テレビのニュース番組で、夕方、このニュースを耳にしたとき、私の心に怒り
がこみ上げてきた。「この業突張りめが!おまえはどれだけ我利我利亡者なの
だ!」
ゴーンといえば、日産自動車の社長兼COOの職に就き、年間10億円もの報酬を
もらう人物として話題になったのを憶えている。10億円もの報酬をもらってい
るのに、これでもまだ足りないというのか。この男はカネに目がくらみ、カネ
に踊らされた哀れな男なのだろう、きっと。欲の奴隷になるとは正にこのこと
ではないか。
その後、日産が、ゴーン氏の会長職と代表取締役を解任すると発表した。日産
によると、ゴーン容疑者は会社の資金を私的に流用するなど、複数の重大な不
正行為を犯していたことが確認されたという。
このニュースを聞いて、私は、なんとまあ手回しの良いことなのだろうと思っ
た。おそらく日産の上層部は、この事実をずっと前から知っていて、発表の機
会を窺っていたに違いない。ゴーンのゴーマンな我が物顔のふるまいを、つね
づね苦々しく思っていた上層部の一部が、このワンマン会長を追い落とす機会
を虎視眈々と狙っていたのだろう。
翌朝(つまり、けさ)の新聞報道は、私の推測の正しさを裏打ちしてくれるも
のだった。記事によれば、日産は検察当局に情報を提供し、捜査に全面的に協
力してきた。引き続き捜査に協力する姿勢だという。要するに、日産の上層部
は、東京地検と司法取引を行ったのだ。朝日新聞は次のように報じている。
関係者によると、ゴーン会長に対する捜査をめぐっては、捜査に協力する見返
りに刑事処分を軽減する司法取引制度が適用された。同社の社員がゴーン会長
の不正について捜査に協力したとみられる。
報道からすれば、ゴーン会長の不正は、「内部告発」によって明るみに出たよ
うだが、この「内部告発」の内実は「社内の敵対勢力による告発」ということ
だろう。俄然興味が湧いてきた。
けさの私の頭は、「ゴーン事件」のことで一杯だった。思考が停止状態におち
いったのは、事件の刺激が強すぎたせいだ。思考が停止したまま、日課の朝の
散歩ーーネットの森の散策ーーを始め、サイト「現代ビジネス」の記事《日産
社内で囁かれる「ゴーン逮捕の深層」・・・ルノーとの間に生じていた「歪み」
とは》を読んだ。
この記事を読んで、私が疑問に思ったのは、ゴーン氏はなぜ虚偽記載をしたの
か、ということだった。この記事の著者・井上久男氏によれば、虚偽記載がバ
レなかったとしても、ゴーン氏の報酬は源泉徴収されているので、彼にはまっ
たく「実利」がない。それなのに、なぜ彼は虚偽記載したのか。
井上氏によれば、ゴーン氏は「もらい過ぎだ!」との批判を気にして、報酬を
少なく見せようとし、そのために虚偽記載したのではないかという。
虚偽記載の罪は、だから悪質なものではないと井上氏は言う。むしろ会社の金
の私的流用のほうが悪質な不正だと言う。(以下、続く)
特捜部に逮捕された。2011年からの計5年間、その役員報酬額が実際には
99億8000万円だったのに、計49億8700万円と虚偽の記載をしていたとい
う。よく分からないが、どうせ脱税が目的だろう。私はそう思った。
テレビのニュース番組で、夕方、このニュースを耳にしたとき、私の心に怒り
がこみ上げてきた。「この業突張りめが!おまえはどれだけ我利我利亡者なの
だ!」
ゴーンといえば、日産自動車の社長兼COOの職に就き、年間10億円もの報酬を
もらう人物として話題になったのを憶えている。10億円もの報酬をもらってい
るのに、これでもまだ足りないというのか。この男はカネに目がくらみ、カネ
に踊らされた哀れな男なのだろう、きっと。欲の奴隷になるとは正にこのこと
ではないか。
その後、日産が、ゴーン氏の会長職と代表取締役を解任すると発表した。日産
によると、ゴーン容疑者は会社の資金を私的に流用するなど、複数の重大な不
正行為を犯していたことが確認されたという。
このニュースを聞いて、私は、なんとまあ手回しの良いことなのだろうと思っ
た。おそらく日産の上層部は、この事実をずっと前から知っていて、発表の機
会を窺っていたに違いない。ゴーンのゴーマンな我が物顔のふるまいを、つね
づね苦々しく思っていた上層部の一部が、このワンマン会長を追い落とす機会
を虎視眈々と狙っていたのだろう。
翌朝(つまり、けさ)の新聞報道は、私の推測の正しさを裏打ちしてくれるも
のだった。記事によれば、日産は検察当局に情報を提供し、捜査に全面的に協
力してきた。引き続き捜査に協力する姿勢だという。要するに、日産の上層部
は、東京地検と司法取引を行ったのだ。朝日新聞は次のように報じている。
関係者によると、ゴーン会長に対する捜査をめぐっては、捜査に協力する見返
りに刑事処分を軽減する司法取引制度が適用された。同社の社員がゴーン会長
の不正について捜査に協力したとみられる。
報道からすれば、ゴーン会長の不正は、「内部告発」によって明るみに出たよ
うだが、この「内部告発」の内実は「社内の敵対勢力による告発」ということ
だろう。俄然興味が湧いてきた。
けさの私の頭は、「ゴーン事件」のことで一杯だった。思考が停止状態におち
いったのは、事件の刺激が強すぎたせいだ。思考が停止したまま、日課の朝の
散歩ーーネットの森の散策ーーを始め、サイト「現代ビジネス」の記事《日産
社内で囁かれる「ゴーン逮捕の深層」・・・ルノーとの間に生じていた「歪み」
とは》を読んだ。
この記事を読んで、私が疑問に思ったのは、ゴーン氏はなぜ虚偽記載をしたの
か、ということだった。この記事の著者・井上久男氏によれば、虚偽記載がバ
レなかったとしても、ゴーン氏の報酬は源泉徴収されているので、彼にはまっ
たく「実利」がない。それなのに、なぜ彼は虚偽記載したのか。
井上氏によれば、ゴーン氏は「もらい過ぎだ!」との批判を気にして、報酬を
少なく見せようとし、そのために虚偽記載したのではないかという。
虚偽記載の罪は、だから悪質なものではないと井上氏は言う。むしろ会社の金
の私的流用のほうが悪質な不正だと言う。(以下、続く)