タイムスリップ物は「もしもあの時・・・」という後悔から生まれる切ない思いを解決する手段を見せてくれるので、登場人物の思いに共感出来れば、満足度が高いドラマになると思う。
ただ、普通は人生はどんなに後悔してもやり直せないもの。更に亡くなった人には何があっても普通は再び会う事が出来ないものだ。私は自分の年齢のせいだろうか・・・ここまで来たのだからという思いの方が強く「あの時に戻りたい」という思いは殆どないが、もっとずっと若かったら、「もう一度チャンスが欲しい」と思ってしまうかもしれない。でもどんなに切なく願っても過去に戻る事は出来ないのだ。そんな出来ない事を体現させてくれるタイムスリップ物は、「人生はリセット出来ないからこそ切ない。」という思いを大事にしながら楽しみたいジャンルだ。
このドラマは、過去と現在を行き来しつつ、登場人物の切ない思いが描かれながらスタートする。
叔父の経営するレコード店でアルバイトをする印象の薄い女子高生ミンジュと、男子高校生2人の青春物語が描かれるパート。(1998年の設定のようだが、観ている感じだともう少し前の雰囲気もあり。カセットテープがそんな雰囲気を感じさせるのか・・・)
そして女子高生と姿形が一緒でありながら、仕事の出来る女性ジュニの姿が描かれる現在のパート。
現在のパートの女性は、パートナーの男性ヨンジュンを事故で亡くし、彼の死を乗り越える事が出来ずに苦しんでいるのだが、そんな彼女の元に1枚の写真が届くのだ。高校生らしい自分の姿、亡くなったはずの恋人の若い姿、そして自分が知らないもう一人の男子高校生。
誰がなんの目的でこの写真を送ってきたのか分からないまま、事故に巻き込まれた彼女。
そう・・・やっぱりタイムスリップ物に謎解きは必須項目だ。