行政マン・コーチのはじめの一歩

自治体職員でストレングスコーチ&ファシリテーターの丸本です。
人と組織の持つ強みを活かして、応援を続けています。

お役所の窓口

2006年01月06日 | 行革・人材育成
「役所の窓口」というと、融通がきかなかったとか、不快な思いをしたとか、あまり良い印象は無いのではないでしょうか。

しかし、意外とそこで働く職員は、プライドを持って仕事をしています。

戸籍のように身分・権利に関係する仕事も多いので間違えられない、正確な仕事をしないといけないという意識が非常に強い。
また、来庁されたお客様に等しく完全な対応をしないといけないという責任感があります。

行革の取り組みについて、窓口の職員と議論をするたびに感じることです。

しかし、この「等しく完全な」というのがくせ者。
窓口開庁時間を延長するとか、1カ所で用事が済むようにワンストップサービスを導入するとかいう議論をする時に、やらない言い訳としてよく持ち出されるのが「等しく完全に」の考え方です。

「言い訳」という言い方をしましたが、本当にやりたくなくて「言い訳」をしているのではありません。
役所の職員の考え方として、「完璧に対応できないならやれない」という思考があるのです。昔よく言われた、失敗を許さない文化=チャレンジしない文化が若いうちから刷り込まれている。

例えば、日曜日に窓口を開けようとします。当番制で出ることになりますが、福祉のようにその専門分野の人が少ない場合、その人がいない時に来客があると、また出直してもらわないといけない。これはかえって迷惑をかける。
また、日曜に当番出勤して平日休んだ場合、その時に来庁してきたお客様の対応ができないのでサービス低下につながる、という発想。

対応できる職員が少ないなら、全員は無理でも8割くらいの人には対応できるよう皆で勉強しようとか、再度来ていただくことになっても、不快な気持ちで帰ってもらわないよう何かフォローする方法はないかとか、「やるために考える」習慣が無いように感じます。

100点を目指しすぎてチャレンジしない → 1点も取れないみたいな。

何度も言いますが、一人一人の職員は非常に真面目に仕事に取り組んでいます。
ただ、この100点主義が、結果的にチャレンジできない公務員・変われない公務員を生み出しているように思えます。



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