学生運動に関わっていたであろう
知人の自殺がモチーフとされる
「さよならぼくのともだち」が森田童子のデビュー作。
自らフェイドアウトした後、
ドラマ主題歌でブレイクしたのが
「ぼくたちの失敗」…
森田童子は「ぼく」系少女である。
切なく囁くような少女の声で
優しく語りかけるように
鎮魂歌…レクイエムを歌う。
ぼく系少女が歌う
レクイエムの衝撃・破壊力というか攻撃力は…
空前絶後に、「振り切れ」ている。
甘く切なく死の香りがする世界は
さながら、太宰治の文学空間が
現実世界に忽然と顕現したかのようで
疲弊しきった心のユートピア
…「不完全なものへの愛」こそ「萌え」の真髄
小さきもの、弱きもの、儚きものへの
限りない慈しみ=「萌え」は、
日本文学の特徴だとおもうんだが
森田童子は、えげつないほどに
「萌え」の本能を刺激する…