ヒマローグ

毎日の新聞記事からわが国の教育にまつわる思いを綴る。

妄想してみると、怖い

2023-08-25 08:32:56 | 我が国の教育行政と学校の抱える問題

「あったら困る」8月19日
 川柳欄に、亀岡市N氏の『相談欄こうなりました欄希望』という句が掲載されていました。面白い句だと思いました。皮肉が効いています。人生相談欄は、多くの新聞や雑誌にあります。それだけ需要があるということでしょう。
 しかし、回答者が、「~しなさい」「~すべきです」と指示したり、助言したり、あるいは叱咤したりするところまでは掲載されますが、その後相談者がそれらのアドバイスを受けてどうなったか、ということが伝えられることはありません。皆無です。
 でもよく考えてみれば、回答者のアドバイスが正しかったのか、有効だったのかは、その後の相談者の人生がどうなったかということで判断、評価されるしかありません。もし、ある回答者のアドバイスを受けた相談者が悉く失敗したり、不幸に陥ったりしていれば、その回答者は回答者の資格なし、と判断され、別の回答者に代わるはずです。
 そうは言っても、「○○回答者は、そのアドバイスが的外れであったため、交代します」というような記述を目にした記憶はありません。まあ、新聞等の人生相談は、所詮その程度のお遊びだということなのでしょう。しかしこれが、教員だったらどうでしょうか。
 A教員の指導を受けた子供の多くが、「失敗」の道を歩んでいるとしたら、A教員は教員失格なのではないでしょうか。もちろん、子供の人生に影響を与えるのは、一人に教員だけでなく、小中高大と何十人の教員が関わるでしょうし、保護者や友人が与える影響も小さくはありません。でも、300人、400人と統計を取って、やはり「失敗」が多い、という事実が判明すれば、何らかの問題あり、ということになりそうな気がします。
 実際にそんな調査も統計もありません。私などは、だからこそ教員という仕事を続けて来れたような気もします。私は東京のO区のH小学校で、5回卒業生を担任しました。150人以上です。私と同じH小学校で100人以上卒業させている教員を全て集め、その教え子に調査カードを送り、今の状況を調査し比較分析したら、どんな結果が出るのか、私の教え子たちの「失敗」の確率が高かったらどうしよう、そんなことを考えてみることがあります。
 妄想です。でも、教員は子供の人生に大きな影響を与える職です。時にはそんなことを考え、自省する、そんな意識をもつことも無駄ではないような気がします。

 

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