わくわく活動日記

山本ゆきこ~子どもこそ未来

デンマーク流「幸せの国」のつくりかたー銭本隆行さん出版

2012-11-15 03:37:49 | 福祉・社会保障
 4月にデンマーク視察した折に現地でコーディネート・通訳してくださった日欧文化交流学院院長の銭本隆行さんが、明石書店から標題の著書を出版されました。元新聞記者らしい大変明快で読みやすい書でおすすめです。サブタイトルは「世界でいちばん住みやすい国に学ぶ101のヒント」デンマーク視察で聞きそびれたことや、その後知りたくなったことなど、具体的に書かれており、大変重宝しています。I(アイ)女性会議発行の「女のしんぶん」に書評を依頼されたものを掲載します。

 「ゆりかごから墓場までの高福祉国家」「世界一幸福な国」といわれるデンマーク。教育・医療・介護にかかる費用は無料であり、週37時間労働、残業なし、有給休暇6週間。果たしてそんな理想郷は本当に存在するのか?高福祉の代償として税金が高いそうだが、国民は納得して受け入れているのか?そんなに手厚い社会保障で国の財政は破綻しないのか?・・・等々の疑問について、豊富な実例をもとに本書は明快に答えてくれる。
 筆者は、デンマークと日本を比べ、デンマーク人の特徴的な姿勢について次のように述べている。
たしかに制度は異なる。しかし、その制度を利用する国民の姿勢そのものに大きな違いを感じる。国民そのものが制度を支えている。ただの客体ではなく、主体なのである。自ら積極的に参加し、自分の住みやすい社会を作り上げている。世の中を変えるには、この主体性というものはとても大切だ。日本人が"主体的国民“となるためのヒントは、デンマーク人のだれもが持つ「自己決定」「連帯意識」「民主主義」という3つの姿勢である。
 デンマーク人は1時間に1回は「デモクラシー(民主主義)」という言葉を発するといわれている。デンマーク人の間に根づいた民主主義が政治を変え、人間を大切にした豊かな福祉国家を作り上げたのだろう。新自由主義に対抗する社会民主主義が具現化されている国が実在することを知り、明るい展望が開けるとともに、私たち日本人の課題を自覚させてくれる書でもある。 

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