午前9時からの用事があり、済ませて帰宅したら家人は不在で誰も居ない。
雨は上がったけれども、まだ畑は濡れていて仕事にはならない。それではと山芋掘りに行きました。
10時半ころのことだったでしょうか。
前から山を見ては気になっていた所に行きましたが、何本かの獣道。きっとカモシカの歩く道でしょう。
目的の場所にたどり着いて直ぐに山芋の蔓を見つけました。
でも、左に見える太い蔓の根元は掘らない。その向こうに見える蔓が目当てです。
どうして、この太い蔓の下を掘らないかと言うと、これは味の悪い種類の山芋だから。
長年の経験で、同じ山芋でも微妙に種類が異なり、味に違いがあることまで覚えたのです。
前の写真でお判りのようにかなりの急斜面です。
土の下には泥岩の層があり、そこにぶつかった山芋は岩には潜れず下方へと斜めに伸びる。
そのために思いもしないほど、蔓の根元から離れたところにまで伸びているのです。
今回も記念すべき、一本目は途中で折ってしまった。毎年の事ながら一本目はたいてい失敗します。
次の蔓は慎重に遠目から掘り出す。
まるで遺跡の発掘作業のような仕事。慎重に山芋の周りの土を除き続ける。
根元から少し下がった所で二股に分かれた山芋でした。
山芋の下に見えるのは、根を断ち切るための小型の鉈で、これをこの場所に忘れてきてしまった。
この近くには小さな「ナラタケ」も見えたので、少し時間をおいて行き、その際に鉈も回収しましょう。
さて、久し振りに収穫した山芋はその日の夕食に、スベルべが男の料理で「とろろ汁」に仕上げます。
狙い通りの山の幸の香りと美味しさ。そして粘り強くてすり鉢から茶碗になかなか入れられない。
掬うお玉から、繋がってぞろぞろと流れ落ちてしまう。「お玉が悪いんじゃない」との言葉で換えて見る。
でも、同じことでしたよ。余りにも強い粘り気はお玉を換えても同じことで繋がって中々掬えない。
大騒ぎしながら、新米のコシヒカリに掛けて食べた「とろろ汁」の味はまさに目を細めんばかりの味でした。