畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

越後駒ケ岳の思い出

2018-11-03 17:54:00 | 登山

    小屋仕舞(連載の再掲)

 昭和45年の11月3日、文化の日の越後駒ケ岳は降雪の後の通例で、眩しいほどに晴れ上がっていた。

10月の初雪から、何回かの降雪を経て、根雪となり深い雪に覆われるのだ。

 山友達が、駒の小屋の番人「星六松」氏と付き合いがあり、小屋仕舞の手伝いを約束していた。  

そのため、私を入れて3人の仲間と、通称「駒の六さん」と彼の娘さんの、

小学校6年生のミチ子ちゃんの5人で新雪の駒に登ったのである。 

 私にとって、その年は春山から初めて、最も数多くの山行をした年だった。

 

 駒の湯からの、コースの急登も徐々に雪が深くなり、小屋に到着する頃には膝を越える積雪となっていた。

元気な5人は小屋で、ゆっくりと昼御飯を食べ、小屋仕舞に取りかかった。

 私は小屋から一登りした山頂のステンレスの道標を外し、小屋まで担いで小屋に片付けた。

他のメンバーは、小屋の掃除、気象観測の結果を送信する無線機器の撤去等、仕事は多かったが、

天候の変化を考えると、小屋の時間を何時までも楽しむゆとりは無かった。

 

 取り外した、無線機器等を背に帰途についた。

雪で白く輝き、青空に吸い込まれるような駒ケ岳の、山頂を振り返りつつ、

他愛の無い冗談を交わしながらの下山は楽しかった。

交替で重い無線機器を背負ったが、なぜか六さんが背にすると、斜めになり背中から落ちそうになるのが可笑しかった。

 真面目なのに、何をやってもユーモラスになり、しかし、何処かにペーソスを漂わせた、

独特の人格で多くの登山家に愛され、山好きな人達の間では結構有名な、小屋番だったのだ。

 

 その翌年の10月末、あれほどベテランで、駒ケ岳の気象にも地形にも精通した六さんが遭難した。

一旦下山してから、風邪気味の体調を押し、連休に登る登山者の面倒を見るために小屋を目指し、

小屋の直下、もう一歩でたどり着く所で、吹雪の中無念の死をとげってしまった。

 葬式に小屋仕舞の約束をした友と、駆け付けた。

その友も、十年余り後、越後三山の縦走中に、滑落して、六さんの後を追ってしまった。

 

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ブルーベリーの引っ越し大作戦(その2終わり)

2018-11-03 04:13:37 | 暮らし

 4人の総力戦でようやく、ブルーベリーの大株を積み込ました。

思わず、友達の口から「ばんざーい」の大きな声が出たほどでした。

 

  大きなブルーベリーの株を抜き取った後です。

埋め立てた当初の大きな石を片付けたりしたので、大きな窪みになったけれど、軽トラで運んだ土も一緒に埋め戻し。

 

  我が家の前にようやく到着したのは正午少し前。

下ろすのもおお仕事ですから、昼食を摂ってからと言う事で先ずは腹拵え。

 

  手伝ったくださった近所のオジサンの助言で掘った穴に水をたっぷりと入れて掻き回す。

こうすることによって、根の周りの空間に隙間なく土が入り込むと言う事です。

 

  準備できた植穴に、ブルーベリーの株を下ろして入れます。

慎重を期して大きくそして深い穴を掘ったので深さは十分すぎるほど。

 

  再度水を入れ、揺さぶりそして片方に倒し気味にして下に土を詰める。

こんな作業を何回も繰り返し、ようやく周囲の土と同じ高さの根元になったのでした。

 

 植え終えたブルーベリーです。植え土は酸性度の高い土とされていますが、ここだったら大丈夫。

30キロ以上もの長旅を終え、ブルーベリーも安心してくれたことと思います。

 しばらくしたら、前の場所と同じように単管で雪囲いをしてあげましょう。

無事に根付いてくれることを祈るのみです。(その1から終わりまで、時間を空けてしまいました。)

           (終わり)

 

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