ゆいツールブログ:NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)

人と人、人と自然、人と環境などを「結う(ゆう)」ということに関して、団体の活動やスタッフの思いなどを紹介していきます!

マングローブ林でごみ調査?!(準備段階)in Lombok

2017年07月18日 | ★2017年度(ロンボク)

少しさかのぼりますが、七夕の日にマングローブ林を見に行きました。

場所は、ロンボクの州都マタラム市からほど近い西ロンボクの南レンバール村です。

Melihat mangrove di desa Lembar selatan, Lombok barat.

ゆいツールは今、海のプラスチックごみの問題についてなにかできないかと考えていて、ロンボクでの海岸清掃&ごみ調査ということを計画しています。その一環で、調査候補地を探しているのですが、西ヌサトウンガラ(NTB)州の環境局を訪れた時に、レンバールのマングローブ林を薦められました。

この日は、環境局のウユッさんとJICA青年海外協力隊員のNさんと一緒に、南レンバール村のマングローブ林を訪れました。

街からそんなに離れていないところに、こんなところがあるなんて知りませんでした。

2015年12月から政府の支援で開発されたそうです。

舟に乗ってマングローブを観察します。

実は、以前私はバリ島でマングローブ林清掃活動に参加したことがあります。

その時、マングローブの根っこのところに、たくさんのごみが引っかかっていることを知りました。

ほんの数メートル四方の泥の中から、ずるずると限りなくプラスチックごみや、なぜか男性用の下着、紙おむつ(こちらでパンパースと言います)などが出てきました。

マングローブの根っこは、下の写真のようにものが引っかかりやすくなっています。

よく見ると、やっぱりごみがひっかかっています。

ごみの調査をどうやって行うか課題はありますが、調べてみたいと思いました。

舟の船頭のビザルさんにヒヤリングをします。

(青いジルバブをかぶっているのがウユッさん、手前左がJICA隊員です)

私が最初に聞いたのは、観光住民グループがあるかどうかでした。意外にも、できたばかりという答えが返ってきました。

グループがないと舟を持つ住民はお客さんを取り合い、設備が壊れても誰も責任を持たないということになってしまうので、やっとグループができて観光開発に責任を持つ体制が整ったようです。

ビザルさんは、ここが開発される前はマレーシアに出稼ぎに行っていたそうです。

マングローブ林の近くには、開発中の住宅地がありました。

ビザルさんに、あそこに人が入ったらごみが川に捨てられるのではないか、と懸念を口にすると、「それを自分も心配している」と言っていました。観光住民グループが、住宅に入る人たちにルールを徹底していくことが大切だな、と思いました。

そのあと、そのグループリーダーと話をしました。

Pak Muhanmad Sera'I yang ketua kelompok Pemuda Mandiri, desa Lembar selatan

(↑ 写真左:まだ若いリーダー、スライさん)

グループのメンバーに、ごみについて考えるプログラムを実施したいと相談すると、喜んでくれました。

ただ、その後のやりとりで、ゆいツールがインドネシア政府や日本の大きなNGOとは違うことを何度も説明することになったのですが。

インドネシアの田舎では、インドネシアの地方政府が住民への説明会や講習会などを実施するときには、「日当」として現金が支払われたり、参加者へ飲み物やお菓子がふるまわれたりすることが普通です。

最初スライさんは、50人くらい人を集めると張り切っていて、私の希望とだいぶ違う上に、彼らにふるまう食べ物代や日当のことなどを聞かれたので、私はただ数人のメンバーにプログラムを実施したいだけで、多くの住民に支払う「日当」もないし、お菓子を買うお金なども用意できないと伝えました。

インドネシアのような国では、外国人はほとんど「イコール財布」です。観光客や支援を希望する外国の政府やNGOなどは、お金が入った財布だと思われているふしがあります。

お金があれば、多くの住民を集めて集会を開いて、いろいろな情報を伝えることはできるでしょう。

それを写真にとれば、なんだか立派な活動をしたように見えるかもしれません。

でも、ただ一回きりの集会、講習会というのは、ほとんど意味はありません。

その証拠に、発展が遅れている村や住民グループなどにその理由を聞くと、「説明会が一回開かれただけで、その後なんの支援もない」「講習会はあったけど、それだけ」などと言われることがよくあります。もちろん、「一回も講習会などは開かれていない」ということもありますが。

そして、政府からの呼びかけで集会などが開かれて人々が参加する半分くらいの理由は、お金がもらえるから、なのです。

ゆいツールは、「お金がもらえるから」参加しようと思ってくる人とではなく、お金なんかでないけど「このごみ問題をなんとかしたい」と真剣に考える人たちと一緒に活動をしていきたいと思っています。

明日、スライさんの村で、観光住民グループメンバーを集めて「ごみについて考えるプログラム」を実施したり、ごみ銀行の紹介をしたりする予定です。

まずグループメンバーが真剣に考えるところから、活動はスタートします。状況を見て、ここで海岸清掃&ごみ調査ができるかどうも検討していきたいと考えています。

(山)

(↑ 船着き場に落ちていたカップラーメンのカップ。ついさっき、地元の子供が捨てた、と言っていました)

★★★★★★★★★★★★★★★★★★

NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)
Eメール:yuitool☆gmail.com

(☆→@に変えてメールをお送りください)

ホームページはこちら
http://yui-tool.jimdo.com/

Facebookはこちら
★★★★★★★★★★★★★★★★★★
 

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ロンボクでサステイナブルツ... | トップ | サステイナブルツーリズム始... »

★2017年度(ロンボク)」カテゴリの最新記事