ゆいツールブログ:NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)

人と人、人と自然、人と環境などを「結う(ゆう)」ということに関して、団体の活動やスタッフの思いなどを紹介していきます!

ごみ銀行をはやらせよう! in Indonesia

2014年05月09日 | 9. インドネシアでの活動
今回の活動で、ロンボク島とバリ島(西バリ国立公園)、スマトラ島(リアウ州とランプン州)を訪れて、ごみの現状を探りました。
(写真は、民間のごみ収集業者〈pengepul:プンゲプル〉の集積場)
 
ロンボク島では、州都マタラム市清掃局が運営する「ごみ銀行」の現状を視察しました。
 
看板だけはやけに立派ですが、ごみはご覧の有様。
JICA隊員によると、"半年前に訪問した時はゴミ銀行スタッフが地域に出向いて、ゴミを計って住民も頑張っていたのに、上手く機能しなくなってしまった。"ということです。 
 
スマトラで見た「ごみ銀行」とは雲泥の差です。
 
また、清掃局の担当者に日本から持って行った、ごみの捨て方が説明してある冊子(横浜市作成)を見せると、こういうものはインドネシアにはまだない、と言っていました。マタラム市では、1日300トンのごみが捨てられるそうですが、行政はその64%しか回収できてないそうです。(回収する車両が足りない、と言っていました)
 
それから、プラヤ市にある中部ロンボクの環境局を訪れると真新しいごみ箱が設置されていました。
どうやら3つに分別するようです。
 
ここでも、最近「ごみ銀行」を始めた、と担当者のアリフさんが自慢げに話してくれました。
住民への説明を順次行っている、ということでしたが、本当に機能しているのかどうか、確認できませんでした。
 
バリ島の西バリ国立公園周辺のスンブル・クランポック村を訪れたときには、ごみから作った商品を村人に見せると、作り方を知りたい!とママたちが集まってきました。
同行したロンボクのJICA隊員が、プラスチックの袋を切ったり折ったりして商品の素材づくりの手ほどきをしました。
 
この村では、行政のごみ回収はなく、ときどきプラスチックごみや段ボールなど、お金になりそうなごみを回収にくる業者はいるようですが、住民はプラスチックごみでもぽいぽいと家の周りに捨てるのが習慣です。
住民グループを率いるイスムさんに、ごみ銀行の仕組みを伝えると、まずはよく捨てられる甘いコーヒーの空き袋(1杯づつパックになっている)を集めてみようか、と言っていました。
 
スンブル・クランポック村は、カンムリシロムクというバリ特有の鳥を繁殖させている住民が多く、最近は村ツーリズムがはやりつつあるようで、ごみから作った商品も観光客に売ることができるかもしれない、とイスムさんは考えたようでした。
 
驚いたことに、いつも活動で訪れるスマトラ島リアウ州の田舎町ルンガットにも、「ごみ銀行」ができていました。
 
飲食店を営むアドリアニさん(女性)が、ごみの可能性に気づいてごみを集め出し、行政も最近ごみ置き場やごみ収集のためのバイクを提供してくれたそうです。
学校も少し回収に参加していて、クラス単位で通帳を持っている、と話してくれたのはルンガットの高校の先生でした。
 
ルンガットでは、民間のごみ収集業者(pengepul:プンゲプル)を訪れ、ごみの値段やごみの量などについてヒヤリングをしました。
pengepulでは、一般の住民がごみを持ち込むことはまれで(ある程度の量のごみをまとめて持ち込まないとお金にならないため)、ごみ回収を仕事にしている人たちが、それぞれ専門のごみを集めて、毎日売りに来るそうです。
 
「ごみ銀行」は、言ってみればpengepulの教育版です。
「ごみ銀行」で集めて、商品化しないごみは、pengepulに売ることになります。
pengepulも、ごみをまとめて売ってくれる人がいるのはありがたいし、住民も身近でごみを集めてくれる「ごみ銀行」があったら、貯金もできるし、手の空いている主婦たちは小遣い稼ぎで商品作りをすることもできます。
 
最後にランプン州では、ウエイ・カンバス国立公園に隣接する村を訪れた時に、ごみから作られた商品を見学することができました。
まさに、インドネシア中で流行る「ごみ銀行」「ごみ利用」です!
 
ゆいツールはこれから、ロンボク島で「ごみ銀行」のネットワークを作ろうと考えています。もっともっと「ごみ銀行」が流行るように。もっともっと街がきれいになるように。
まずは、学校のごみ回収から改善しなければ、と考えています。
(山)

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