ゆいツールブログ:NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)

人と人、人と自然、人と環境などを「結う(ゆう)」ということに関して、団体の活動やスタッフの思いなどを紹介していきます!

バリ島の村でのごみ調査 in Bali

2020年02月20日 | ★2019年度(ロンボク)

1月中旬、バリ島北部のブレレン県サワン地区シンガラジャ近くの村に行きました。

ロンボク島とバリ島は隣同士にありますが、違う州で、宗教も異なっています。

バリ州では、1年ほど前に使い捨てプラスチック袋やプラスチックストローの生産や販売、使用が禁止されました。

確かに、バリ島の観光地のカフェでは、竹やステンレス、紙のストローしか見かけません。

Pemerintah Provinsi Bali melarang pakai plastik sekali pakai.

(サヌールのカフェ。ステンレスのストローが使われています)

でも実際のところバリ島の村ではどうだろうか、村人の意識はロンボクの人たちの意識と大きく違うだろうか、と思い調査をしてみました。

訪れたのは、サンシット村。上は、村役場の看板です。

近年、バリ島では、行政関係の看板はすべてこの色と書き方で統一されました。インドネシア語の上に表記されているのは、サンスクリット語です。

ただ、宗教や州が違ったところで、風景はロンボクとそう変わりません。

バリ島は、観光地エリアは清掃されていてきれいに見えますが、こういった村の道ばたには、ロンボクと一緒でプラスチックごみがたくさん落ちていました。

やっぱりね、と思いました。

ロンボクと違ったところは、村なのにごみ収集があったことです。

ロンボクでは、村単位でごみを収集しているところは、ほとんどありません。大きな街や、住宅地(塀で囲われた、ある程度の収入のある人たちが暮らすエリア)では、黄色いコンテナやごみ捨て場に指定されている場所に自ら持って行くか、月額数百円を払ってごみ収入人に回収に来てもらうかして、ともかくごみを最終処分場(インドネシアの場合、ただの埋め立て地)に持って行くルートがあります。

しかし、一般的に村では、市場などの公共の施設を除いて、行政はごみ収集にタッチしていません。

理由は、システムが整っていないこと、システムを整える予算が足りないこと、村単位で解決できる問題ではないのでどうしようもないこと、などです。

そのため、ロンボクのある西ヌサトゥンガラ(NTB)州では、各村にごみ銀行を作って住民のごみを分別して減らそう、と考えているわけです。

(NTB州環境森林局でヒヤリングしたときの様子はこちら

ロンボクの村では、現時点でのごみの最もよい管理方法は、自分の敷地で燃やすことです。

(以前、中部ロンボクのタナ・ベア村で、日本の学生たちとごみの調査をしたときの様子はこちら

日本でも昔は、今ほどプラスチックごみが出なかった頃、自宅でごみを燃やしていました。

さて、バリ島のサンシット村では、村役場の回収車か別の収集人が各村からごみを集めて、村のごみ集積所へ集めていました。

これが、その集積所です。

え?

嘘ではありません。看板もあります。(土地の所有がブレレン県政府のものである旨が書かれています)

ここに、各家から回収したごみが一時置きされています。

あくまで、一時置きです。ここから、行政の車で最終処分場(埋め立て地)へ運ばれると聞きました。

でも、その車がごみを回収に来るのが遅い時があります。

そうすると、ごみが山積みになり、困るのでしかたなく村が車を出してごみを運ぶ、と言っていました。

でも、基本的に、ここから先に運ぶのは村の責任ではなく、県の環境森林局の管轄であるようでした。

敷地の横では、ごみを分別して商売をしている人が暮らしていました。上の写真は、プラスチック類。下の写真は、ダンボール。分別されています。

そして、そのごみを買いに来る人がいます。(写真下、左の男性)

この男性に、なぜごみを回収(する仕事を)しているのか?聞いてみると、それが自分の商売だから、という返事でした。

これからダンボールを運ぶようで、バイクでは全部載せられないのでは?と思っていると、何回かに分けて運ぶという答えでした。

ごみはお金になるんだな、とこういうのを見ていると思います。

ところで、このごみ集積所は田んぼに面しています。そのため、ごみがあふれてこの有様です。

なぜ、柵などを設けないのか?日本人であればだれでも不思議に思います。

多分、そんな予算がないのでしょう。あるいは、その必要性をあまり感じていないのでしょう。

ちなみに、この村の小学校を覗くとゴミ箱が3種類ありました。

前の日に、村の子供と話しているときに、ごみ箱のことを聞きました。

「黄色は、プラスチックごみ。緑は、葉っぱ(有機ごみ)。赤いのは危険物(缶やビンも)」と、小学3年生くらいの利発な男の子が教えてくれました。

学校の敷地周辺も、だいぶきれいでした。

下は、Bebas Asap Rokok(禁煙)と書かれています。

この学校の先生のお宅のお庭へお邪魔してみると、これまたとてもきれい。

外には、2日にいっぺん回収に来るごみが置かれていました。

バリ島の村のごみの様子を見てみて思ったのは、確かにロンボクより少し進んでいる、ということでした。

各家から、少なくともごみ集積所へ持って行くシステムは整っていました。

でも、そこから先は、同じかも・・・。

学校や個人の家などはきれいにされていましたが、道ばたに落ちているごみはまだまだありました。

バリ島もロンボク島も、もっともっときれいになって欲しいです。

そのためには、行政のシステムの改善と住民の意識改革(環境教育)の両方が欠かせません。

ゆいツールはロンボクで、後者のサポートを続けていきたいと考えています。

(山)

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