ゆいツールブログ:NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)

人と人、人と自然、人と環境などを「結う(ゆう)」ということに関して、団体の活動やスタッフの思いなどを紹介していきます!

スタッフコラム★☆コンポストで試行錯誤...コンポストの家からコンポストバックへ

2022年05月08日 | 11. ≪スタッフコラム≫

◎ ◎ ◎ スタッフコラム ◎ ◎ ◎

ゆいツールはロンボク島で、プラスチックごみを減らす一環として、コンポストづくり講習会を度々行っています。

これは、コンポストに入れる生ごみをまず分けて減らすことで、残ったプラスチックごみに注意がいく、という理由です。

さて、現地で普及しているコンポストに、高倉式コンポストというものがあります。(JICA九州タカクラ・メソッド

日本から派遣された、JICA青年海外協力隊員などが熱心に広めた甲斐もあり、インドネシアではわりと知られた方法になってきました。

とは言っても、一般の人にはまだまだ届いていません。

昨年度、ゆいツールはこの高倉式コンポストを、バックの中で作る「コンポストバック」を開発しました。

Yui-Tool telah mengembangkan tas kompos yang menggunakan Kompos Takakura, di Lombok.

おや、どこかで見たことがあるような?と思った人もいるかもしれません。

実は、日本で開発されたLSCコンポストを参考にさせてもらいました。

真似たのは、チャック付きのカバンの中でコンポストを作る、という点と、形や大きさです。

日本から見本を送らなかったので、インドネシアにあるもので作ってみました。

使用感はこんな感じです。

高倉式コンポストのスペシャリストと言っても過言ではない、クカイ・ブルスリごみ銀行のパイズルさんによると、バックで作ったコンポストは普通にたくさん作る高倉式コンポストと同程度か、むしろそれ以上の出来になる、ということでした。

去年の11月くらいからコンポストバック生活を始めた、ボランティアのコマンさんの家族は、もう何回か中身を半分取り出して熟成させ(2週間ほど放置)、肥料として使っているそうです。

(コマンさんの家族が育てる植物)

コマンさんは、ロンボク島のマタラム市で小さな宿を経営しているのですが、敷地内にこんなゴミ箱を設置しています。

これは、2年半前まで私がロンボク島に行っていた頃にはなかったもので、コマンさんがゆいツールの活動の中で色々と学ぶうちに、自分の宿をもっときれいにしよう、と思って設置したものです。

一方こちらは、中部ロンボクのランタン村(Bale Lantan)に設置した「コンポストの家」です。

去年の5月頃設置して、そのあと11月にバレ・ランタン(若者たちが運営する英語の無料塾)の子供たちが看板づくりをしました。

下の写真奥が、コンポストを作っている場所で、一番左はプラスチックごみをまとめているところです。

バレ・ランタンのコンポストの家の様子は、こちらのビデオに紹介しています。(ただしインドネシア語)

話はコンポストバックに戻ります。

日本でもそうですが、「生ごみをコンポストにしましょう」と言って普及活動をしても、興味を持つ人は一部で、なかなかみんながコンポストを作る、という状況になるのは難しいものです。

インドネシアも同じ。高倉式コンポストも、一般家庭には浸透していません。

そこで、家庭の生ごみを肥料にできるコンポストバック(高倉式コンポスト専用)を作ってみました。

写真左から、バックと中袋とコンポストの基材、そして投入する生ごみ⇒パイナップルの皮。(ちなみにこちらがコマンさん)

高倉式コンポストの基材は、パイズルさん(クカイ・ブルスリごみ銀行)から購入します。

このコンポストバックプログラムは、ゆいツールのボランティアが立ち上げた新団体「SAMALAS TRESNE GUMI(サマラス)」とマンディリ・スジャテラごみ銀行のインドラさんの協働プロジェクトとして位置づけています。

Program tas kompos ini adalah proyek kerjasama dengan SAMALAS dan Bank Sampah Mandiri Sejahtera di Lombok.

コンポストバックの名前は「Jalita Lombok Recycle(ジャリタ・ロンボク・リサイクル)タカクラ・コンポストバック」です。

Jalitaは、Jaga Lingkungan kita(僕たちの環境を守ろう)の頭文字を合わせた言葉。

これから、写真下のマデくんとコマンさんがマスコットになって、このコンポストバックの普及活動を進めていく予定です。(山)

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