ほぼ週二 横浜の山の中通信

人と異なる視点から見る

公務員の志望者減少は野党の責任か?

2021年10月14日 | メディアに物申す

日本経済新聞の社説がチョロい

 

2021年01月18日の「日経新聞の『官僚の劣化』社説は50点 ~メディアに物申す その101~」にも書いたけど、日本経済新聞の社説はチョロい。

 

国家公務員総合職試験の申込者の減少や20代総合職の職員の自己都合退職の増加は、長時間労働が原因であり、その要因として国会での野党の質問資料の作成に時間がかかっていることをあげている。次いで、官邸主導体制の強化により、官僚の判断で動ける範囲が狭まり、命じられたことをただこなすだけになっているとの不満を挙げている。

 

社説の現状分析がこんなに不十分で良いのか? ここに挙げられている点は確かにあるだろうけど、他に要因は無いのか? 国会での野党の質問資料の作成にかかわるのは、官僚の一部だけだろう。それとも全省庁挙げて対応しているのか? 安倍首相の国会での発言に引きずられて、国会での官僚答弁は捻じ曲げられていなかったか? 日本経済新聞のチョロいオッサンたちは、野党を明確に批判するけど、自民党への批判は避けているのはどうして? 

 

日本経済新聞社にも、他の新聞社のように使い道のない人がいて、しかもそれなりの地位にいることが分かる。

 

経済以外はダメな日本経済新聞

 

その日本経済新聞の今年5月15日に「キャリア志願者最小に 長時間労働も一因か」という記事が載った。

 

この記事でも、国家公務員総合職試験の申込者が減少した原因として長時間労働を挙げ、その要因として答弁作成などの国会対応と新型コロナウイルス対応を挙げている。

 

そして、20歳代の自己都合退職者の増加を問題としているが、その理由として「残業代が正しく払われていない」ことしか挙げていない。

 

この記事には、年代ごとの国家公務員総合職試験の申込者と倍率のグラフを出している。このグラフによると、1990年代後半に申込者は一時的に増加したが、それ以降は漸減していているので、この減少には長時間労働以外にもっと別の要因があることを示唆している。

 

この記事には、年代ごとの自己都合退職者のグラフもあり、20歳代は2016年あたりから、30歳代は2018年あたりから増加しているので、そのあたりに何らかの要因があると思われるのに、その分析は避けている。

 

問題の原因を矮小化し、捻じ曲げる記事しか書けない記者は“Fire!“

 

チョロい社説といい、考えが浅い記事といい、日本経済新聞のこんな現状認識力や分析力では悲しくなる。こんな能力の低い人はさっさと退職するべきだけど、こういう人は自分の実力がわかっているので、しがみつくはず。

 

大学通信も不合格、東大生の官僚離れの理由

 

「大学通信」の人が6月27日付で「文系最難関は過去のこと? 陰る「東大文1」人気と「東大文2」の隆盛」という記事を書いている。「文1」は主として法学部、「文2」は主として経済学部に進学する。

 

「文1」の人気が陰った理由として、司法試験改革の影響や官僚人気の低下を挙げている。

 

官僚人気の低下の要因として、「2009年に政権交代を果たした民主党(当時)が行った事業仕分けが頻繁にテレビ中継されました。官僚が『予算が必要だ』と説明するところを政治家が一刀両断してやり込めるというか、反論できないよう追い込んでいくシーンの連続で、官僚の無力感が伝わるものでした」と書いている。

 

「大学通信」という受験生向けの仕事をしている人がこんなフェイクな認識で大丈夫か?と思う。もちろん、この人が言うようなことも原因かもしれないが、10年前の理由だけしか書かない答案は不合格。前にも書いたけど、安倍首相の発言に合わせて官僚が白を黒と言わされる国会もあったし、もっと他にも要因があるだろう! 「大学通信」も自民党に正論を言えないなら、廃刊すべきです。

 

正しい現状認識が出来ない人は去れ!

 

官僚の志願者減少や官僚の若年層の自己都合退職の増加の原因について、私なりの分析を前述の「日経新聞の『官僚の劣化』社説は50点 ~メディアに物申す その101~」に書いたので参照してください。これで十分ではないかも知れないが、日本経済新聞や「大学通信」の現状認識より、まともだと思う。

 

ちゃんとした現状認識をしないで、何でも野党の責任にしてしまう体質のままだと、産経新聞のように変な人が増えて、まともなことが書けなくなるよ。話しているとだんだん傾いてくる82歳の幹事長とか、しばらく前にガースー首相の代わりがいないとか言っていた自民党の体たらくに産経新聞の責任は10%くらいあると思うよ。

 

2021年10月14日

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿