不正売買の金額が5000億円にも
「金融庁は5日、証券会社の口座が乗っ取られた問題で株式などの不正売買の金額が5月末までに約5240億円になったと発表した」と6月6日の日本経済新聞は書いていた。この記事によると、「不正売買の金額」が約5240億円と書いてあるが、この金額は実際の被害金額では無さそうです。犯人は、特定の株の売買を絡ませているので、被害金額を正確に出すのは難しい。それでも、被害者は多そうだし、被害金額も相当大きい。
証券会社の口座乗っ取り
他人の証券口座を乗っ取り、証券口座にある株を売り払って金を作り、この金で中国のくず株を買って株価を上昇させる。そして、予め安く購入していた中国のくず株を高値で売り抜けるという手口が紹介されています。なかなか手の込んだ詐欺です。
乗っ取った口座の株を売却して、その代金を自分の口座に振り込んだら良いのに?
他人の証券口座を乗っ取り、その証券口座に預けている株を売り払い、得た代金を犯人の口座に振り込めば、もっと楽に速く金を入手できるはず。だけど、それをしないのは、証券口座に登録してある出金するための口座を犯人の口座に変更するのは手間と時間が掛かる。これを避けるために、回りくどい、手の混んだスキームを考えたようです。
証券会社の顧客とそのメールアドレスを犯人がどうして知ったのか?
ところで、他人の証券口座をどうして乗っ取るか? メディアでは、一つの方法を紹介している。顧客が利用している証券会社を偽ったメールを送付し、このメールにあるURLをクリックさせると、証券会社の偽サイトが開き、口座番号とパスワードを記入させられて盗まれるという方法。
私の疑問は?
犯人は、上に書いたような手口で口座番号とパスワードを入手しているのなら、犯人は偽メールを送る証券会社の顧客をどうして見つけたのか? その証券会社の顧客のメールアドレスをどうして入手したのか?
証券会社を偽ったメールを手当たり次第に送っているのかな? 今のところ、無作為にこういう偽メールがばら撒かれているという報道は無い。もしかしたら、証券会社の顧客リストが漏洩している? そういう報道は無いけど?
今までの報道の中で、証券会社の顧客とその顧客のメールアドレスをどうして探し当てたのかを指摘した記事は見たことが無い。証券会社は自社にミスが無ければ、被害者に補償しない方針だったけど、方針を変えて被害金額のいくらか(全額では無いようです)を補償するようです。もし、証券会社からメールアドレスが流出しているのなら、証券会社にも責任はあることになるけど?
今後、証券口座乗っ取りの手口をさらに明らかにして欲しい。
2025年6月14日
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