ほぼ週二 横浜の山の中通信

人と異なる視点から見る

横浜の山の中の住宅地の擁壁の水抜き穴

2021年07月09日 | 地震・火山

赤坂理想主義

 

TBSラジオの夕方の番組で、今回の伊豆山の土石流について、「盛土が崩れて土石流になったのは問題だけど、それだけでは土石流の問題を矮小化する(ラジオで言っていた通りではない、こんな感じで言っていた)」と言っていた。大雨に注意する必要があると言いたいのだろうけど、私は今回の問題は盛土の問題だと思う。なぜなら、今回の雨で土石流が発生したのがこの辺りでは伊豆山だけだったから。小さい土石流も発生していない。

 

自然災害は、理想を語っても仕方がない。現実的でないと。TBSにはこういう番組が多い。

 

横浜の山の中

 

私が住んでいる地域は「横浜の山の中」なので、小高い山を削ったり、傾斜地に盛土をしたりして住宅地になっているところが多い。話は変わるけど、この地域に高齢者も多いのは、息子や娘が実家から呼び寄せたから。

 

横浜市には「土砂災害警戒区域」(定義がいろいろあるが、補強されていない高さが数メートルの少し急な崖)が点在し、その中の「土砂災害〈特別〉警戒区域」は法律による規制のある区域。

 

水抜き穴から水が出ている

 

「土砂災害警戒区域」でないが、1メートルくらいから数メートルの高さのコンクリート擁壁の上に住宅が建っているところが点在している。

 

こういうコンクリート擁壁には、水抜き穴が何か所か開いているが、ほとんどの水抜き穴には水が流れ出た形跡が無い。しかし、時々水が流れ出る穴があり、こういう水抜き穴があると、いろいろ推理するのが興味深い。水抜き穴の例を下に示す。擁壁は、こういう斜めの壁もあるし、垂直の壁もあるが、住宅の場合は垂直が多い。

 

近所に、高さ1.5メートルほどのそれほど高くない擁壁があって、その上に住宅が建っている。そこの水抜き穴からは、雨が降ってから1週間経過してもポタッポタッと水が出て、下が濡れている。この住宅の背後は同じような高さに住宅が建っているだけで、これといった水を溜めておく厚い地層や水の流れがあるように思えない。 通るたびに「不思議だなあ?」と首をひねっている。別の場所には、もっと高い擁壁があるが、水抜き穴からは水が出ていないのに?

 

擁壁の下から水が湧いている

 

梅雨真っ最中の先週の雨の後、10メートルほどの擁壁(こんなに高い擁壁は、この地域でも少ない)の一番下の水抜き穴からは、途切れなく水が流れていた。その擁壁の下は平らな住宅地で住宅が何軒か建っている。これらの住宅のコンクリートの合わせ目や駐車場のコンクリートが無い部分から水が吹き出していて、流れが集まりちょっとした小川になっていた。この流れは翌日になると無くなっていたが。

 

じゃあ、伊豆山の盛土は?

 

ところで、伊豆山の盛土に水抜き穴はあったのかな? この盛土は、15メートル(これは書類上で実際は50メートルとか)の高さとTVは言っていたが、水を抜くパイプの残骸は見当たらなかったし、水抜き穴は無いとTVは言っていた。盛土の高さが15メートルあれば、水抜き穴があって当然。おまけにあそこはお椀を半分に割ったような地形の谷の最上流部なので周囲から水が集まり、底部から水が流れ出てくる場所なのに! それなのに、水抜き穴が全く無かったとすれば、それは無茶!

 

2021年7月9日

 


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