ラストランの晴れ姿、小平奈緒さん
『アイススケートの女子短距離界をけん引してきた小平奈緒は、最後まで強かった。』
メディアの一致する賛辞が、彼女のひたむきな生き方と日々の努力を怠らなかった選手生活、そんな人となりを端的に表していて心地いい。
2018年平昌冬季オリンピック500mで金メダル獲得は記憶に新しいが、2016年から2019年に至る500mで国内外37連勝といった華々しい活躍などその華やかな歴史を数え上げればキリがないほどである。
そんな彼女は、いつしか後に続く若い選手の『目標』となった。奈緒さんの走りに近づきたい。奈緒さんを追い越したい。と必死に練習したスケーターは何人いるのだろう。おそらく計り知れない数にのぼるに違いない。今を絶頂期と世界に羽ばたく高木美保選手も、かつては奈緒さんが目標であったという。
今その走りを終え、チャンピオンの勇姿でラストランを飾った小平奈緒さんに、惜しみないねぎらいの拍手を送りたい。ほんとうにお疲れさま。
ところで、目標ってなに? ちょっと考えてみたい。
特別な何かを持ち合わせてはいないが、親という存在にはなった私たち夫婦。娘一人、息子一人の父親であり母親となった。
息子にとって父親は、最も身近なライバルであり、一つの目標であり、反面教師であり、乗り越えるべき壁である。もうとっくに乗り越えられているが。
一方母親は、娘・息子双方にとって、生き方を真似る目標であり「幸せに暮らすこと」の目標である。だから一生かかっても母親を乗り越えることはないと思うし、「母のように生きる」ことは永遠の課題である。
母親とはそんな存在であったな~と、今さらながら思う晩秋の夜。母の祥月命日が近付いてくる感傷なのかも。
小平奈緒さんの頑張りを目標にした話から横道にそれてしまって申し訳ない(笑)