瀬戸内海の多島美を背景に、小さな漁船がひしめく豊漁の秋
日に日に秋が深まっている。
ここ数日、国道から眺める瀬戸の海の一画に、小さな漁船が群れを成し、ひしめき合っている光景に出くわした。
小イワシが入り込んだのであろう。その小イワシを追って「ヤズ」や「ハマチ」も集団でやって来て、それを狙う漁船集団がやってきたという構図である。
普段は船影を探すのが楽しみなくらい行き交う船の少ない瀬戸の海が、銀座市をなすほどの賑わいを見せている。
さぞかし大漁を喜ぶ船もあれば、あっちこち動き回っても「大したことないねー」と、すごすご引き上げる船もあったのだろう。
この時季の瀬戸内海は、西風が吹いて荒れることが多い。それでなくとも、♬今はもう秋 誰もいない海~♬が通り相場である。
それゆえに、専業漁師や慰み舟の遊漁船が、あの広い海の一画にひしめき合うのは、見栄えのする季節絵ではある。
ちょうどこの絵が目に入ったときはカメラを携えていなかった。
兎に角なんとか目に焼き付けておこうと思い、急遽ハんドルを切り、船溜まりに車を止めた。そこでスマホを携帯していることに気付いた。しかもこのスマホは、このたび他社乗り換えで安く手に入れた最新鋭機種。おまけにカメラ使用初仕事というオマケ付き。
波止(はと)の先端まで出て撮った。内心、カメラを持ち歩かなかったことを後悔し、スマホでどの程度のものが撮れるのか、ちょっと小ばかにした気持ちもあった。PCに転送し再現してみたら、ここまできれいな仕上がりである。カメラに負けてはいない。
時代遅れの感覚を少し反省させられる出来事でもあった。
「秋深し・・・」はもう少し先のこととして、「秋たけなわ」の今、移り行く自然の様子を注意深く観察してみるのも面白い。