「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「ひと回り」

2014年06月16日 | つれづれ噺

 

長年勤めた工場の、年に一度の大イベント「定年退職者の会」に参加した。
この会ばかりは、何年たっても駆け出しの域を抜け出せない。それほど先輩の顔ぶれがそろう。
右を向いても左を見ても「あの時世話になったな~」「あの頃いじめられたな~」「オッ、この人は随分若いな~」と、ひとり一人にまつわる思い出が頭の中を駆け巡る。

それでも、定年退職して丸12年。後輩も少しずつ増えて、やっとこさ中堅どころにさしかかったようではある。
ということは、自分の居場所が確保され、先輩諸氏から一定の存在感を認知された感はある。

入社して7・8年たった頃。仕事もおおよそ習得して怖いもの知らずの生意気盛り。
職場がら、工場内全域を監視の目で歩き回り、どうかすると大先輩であっても、品質アップに向けた操業上の意見の違いなどでぶつかる場面も多かった。
「この若造が、俺たち熟練の腕に文句を付けるか・・・」という居丈高にたいして「出荷出来んものを造っても仕方がない・・・」などと口角泡を飛ばした相手も、今は柔らかなお年寄りとして参加している人もある。

一方で、独身華やかりし青春の真っただ中。高校卒の初々しい女性の登用が始まりだした。
室内で分析業務をすることの多い我々の職場は、特に男子から女子に移行する対象職場となったようだ。
6人も7人も同時に配属された中には、見目麗しく情けありそうな女性がいなかったわけではない。

それはおいといて。それからしばらく毎年、新入女子社員を迎えた。もちろん男子も数人迎えた。
あるとき新入社員に干支を尋ねたところ、小生と同じ干支の新人さんがいた。
ナヌッ!こいつらオレとひとまわりも違うのか、あ~なんといつの間にか年を取ったものだ、と自分の年に愕然としたのはあの時が最初であった。ビックリしたなーもー・・・。

そして今年の定年退職の会。あのときのひと回り違いで初々しかったお嬢さん方が、それなりの年輪を重ねて新入会員として総会の一角を陣取っていた。またひとつ「青春は遠くなりにけり」の反面、「オーかつての初々しい面々に囲まれて、また青春を取り戻せたような・・・」そんな淡い錯覚に浸る一日を過ごした。
もちろん、「元気じゃったかい」などと声をかけながら、彼女らの席を「ひとまわり」することを忘れてはいない。

コメント (6)
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