怒りのブログ

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日本を滅ぼす教育論議(講談社現代新書)岡本薫その1

2006-02-06 00:08:16 | 教育書
まだ5章だての1章「現状の認識に関する論議の失敗」を読んだだけ。
でも、おそらくこの本は、これからの教育施策を考えていく足場になりそうである。
非常に平易に書かれている「日本の教育政策」への批判書だと思う。

第1章では、日本と諸外国の「教育」の差異について、宗教になぞらえて説明されていて分かりやすい。
「現状」の認識が根拠がないだけでなく、その中に含まれる齟齬やら頸城を端的に批判している。
また、後半では、「マーケット」という意識に対する不馴れな日本教育界の現状を、具体例をあげて批判している。

個人的には、「言っていた通りでしょ」という感覚が抜けない。
例えば、教育界に現場で使えない形で導入を強行されている情報機器、ソフトの話や民間人校長の話、学校選択制の話などはその通りである。

ちょっとこわいと感じるのは、この著者は、文部科学省の課長を務めていた点。
ある意味、政策側でリーディングをとれる位置にいた人間が、このような認識を持ちながら、当の文科省はまったくあべこべの施策を行ってきたことだ。
今のところ、真に疑問である。この人は現場で何をやってきたのだろう?

まだ、第1章だが、マネージメントをとりあげつつ、グローバルスタンダードを目指しているような節がある点、学習塾をコンシューマーオリエンテッド(消費者中心)と断じ切っている点などは、この著者が格差当然の教育像をもっているように、なんとなく透けて見えるような気がする。
いちいち引き合いに出す「太平洋戦争時の日本軍のマネージメントミス(特に精神論)」が、リスク当然の説明に引用されそうだが、日本人の冷静な同意を得られるかどうかは甚だ疑問だ。
「隗より始めよ」ではないだろうか・・・。

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