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為吉 北町奉行所ものがたり 宇佐江真理

昨年末に亡くなった作者の新刊本。書評誌で、その死を悼みつつ本書が紹介されていたので読んでみることにした。作者の本は初めてではないが、せいぜい2,3、冊しか読んだことがないし、私自身は強く記憶に残っている作品もなかった。そういう感じで読み始めたのだが、結論からいうと非常に面白かった。時代小説はそれほど読む方ではないが、時代を超えた市井の人々の生活とか考えがすぐそこにあるようにはっきりと思い浮かべることができた気がする。現代との違いを考慮した説明の部分もくどくなくそれでいてよく判る。こういう文章を名文というのだろうなぁと強く感じた。著者の死を悼む人が多いのがよく判る気がした。(「為吉 北町奉行所ものがたり」 宇佐江真理、実業の日本社)

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