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里山資本主義 藻谷浩介

大量生産、効率といったこれまでの資本主義に対するアンチテーゼではなく、現在の資本主義のサブシステムという位置づけで、自然の恵みを人間の生活の豊かさの実現に組み込もうという考え方を、事例やデータを交えて説得力を持って教えてくれる。「自然に帰れ」という理想主義などとも一線を画し、世の中の全員がこうした主義になってしまったら却って困るのではないかという平素の疑問も「サブシステム」として併存させるということであればそれなりに納得出来る。著者の熱意の表れなのだろうが、記述が全体的にややテンションが高くて押しつけがましい感じがする部分があるような気もするが、それ以外は大変面白く読める好著だと思う。(「里山資本主義」 藻谷浩介、角川oneテーマ21)

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