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晴れた日は図書館に行こう 緑川聖司

図書館好きの小学生の視点から本にまつわる小さな謎を追いかける本書だが、語り手が小学生であるにもかかわらず全く小学生らしくないのがどうしても気にかかってしまった。本に関わる職業とその謎という今流行のシチュエーションなのだが、なぜ主人公を小学生にしてしまったのかが良く判らない。子供向けというわけでもなさそうだし、多感な年頃ということでもないし、邪推すると内容が子どもっぽいところに合わせただけの話かもしれないと思ってしまう。それに、いかに心温まる話に仕立て上げようとしている作為が透けて見えてしまうのもいただけない。話としては面白いところもあるので残念な気がした。(「晴れた日は図書館に行こう」 緑川聖司、ポプラ文庫)

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