書評、その他
Future Watch 書評、その他
夜の小紋 乙川優三郎
時代小説の面白さは、その舞台が現代よりも制約や理不尽なことの多い世界であること、ではないかと思うのだが、本書はまさにそうした舞台の中で生きる登場人物が味わう緊張感や感情が非常に細やかに描かれている。当時の人々の「心情」というものが現代の我々とさほど違わないとすれば、当時の人々が制約の多い人生に対して、「このままで良いのか?」という疑問を持ちながら暮らしていかなければならないのは当然のことであるが、本書のそれぞれの話の登場人物がそこで許される範囲で少しだけ前に出ようとする生き方に、感銘を受ける。こうした感銘は、ほとんどのことが自由である現代の我々にとっては、実に新鮮なものに映る。(「夜の小紋」乙川優三郎、講談社文庫)
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ジェイソン・スペッツァ
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楢崎 & ロイ・キーン
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ロイ・キーン
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