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ベルナのしっぽ 郡司ななえ

こういう本を読んだのは久しぶりだが、この本が書かれた当時と現在では、おそらく「盲導犬」に対する社会の理解度が随分違っているのだろう。もしかしたら、私の「盲導犬」に対する理解も、直接この本を読んだのではなくても、この本に大きく影響されて社会が変わり、その社会の変化を通じて学んできたものなのかもしれない。「思いやり」とかではすまされない作者とベルナの関係の「暖かさ」や時には「残酷さ」が短い文のなかにあふれている。人間同志でも、この本に書かれたような「心の通い合い」を体験することはあまりないだろう。社会を変えてきた本、それを確認できる名著だと思う。(「ベルナのしっぽ」郡司ななえ、角川文庫)
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