日野原先生は臨床推論の大切さも伝えていましたね。
臨床推論は論理学的にはアブダクション(abduction)という推論で行われます。
アブダクションは演繹(deduction)や帰納(induction)とは異なる仮説検証型の推論方法。
簡単な病歴などの限られた患者情報から診断仮説を立て,能動的に病歴と診察の追加情報を入手,最初に挙げた . . . 本文を読む
臨床推論で最も重要なことは症候学(symptomatology)を学ぶこと。
症候学は個々の症状についての鑑別診断とその鑑別方法を示す臨床学問体系です。
鑑別診断を正確に行うためには個々の症候に対する診断のアプローチ方法を症候学の枠組みで身につける必要があります。
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高齢者の甲状腺機能亢進症の場合、臨床症状が乏しく、甲状腺腫が明らかでないことがあるので注意が必要です。
これをマスクされた甲状腺機能亢進症(Masked Hyperthyroidism)とよびます。
高齢者で原因不明の心房細動や体重減少、呼吸困難をみたときには、マスクされたバセドウ病の可能性も考慮します。
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皆様こんにちは。最近、ブログに載せている写真が結構たまりましたので、まとめて見てみようかなと思います。お茶を片手にゆるりとご覧下さい。
知人の犬たち。南城市大里。
DOCS 勉強会。
都立松沢病院敷地内のJapanese Garden
メルボルンのぶどう園
那覇空港
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前回の表の結果より甲状腺機能亢進症を認めましたね。
甲状腺刺激ホルモン受容体抗体は陰性でしたが、放射線ヨード(またはテクネシウム)甲状腺摂取率高値であったことから、バセドウ病の診断となりました。
刺激抗体(TSAb)は陽性。
身体所見上、甲状腺腫大などの所見を認めなかったので、マスクされたバセドウ病(Mask . . . 本文を読む
救急室で迅速に検査が行われました。
心電図:心房細動
CT:左中大脳動脈にhyperdense MCA signあり。
また、あとで判明した追加検査結果を表に示します。
表:追加の検査
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遊離サイロキシン:freeT4
5. . . . 本文を読む
次のケースをみてみましょう。
60歳女性
病歴
主婦。 家族と暮していた。
朝食に起きてこないので様子を見に行った家族に、床に倒れているのを発見された。
そのとき右上下肢に麻痺が認められた。
以前から高血圧と不整脈を指摘されていたが治療は受けていなかった。
身体所見 . . . 本文を読む
特に原因も無く、糖尿病の血糖コントロールが悪化したときには、糖尿病患者でリスクとなるがんのうち、とくに膵がんを疑うことが重要です。
ある研究では、糖尿病患者さんは非糖尿病患者さんと比べて、文献をプールした相対リスクは約2倍でした。
糖尿病患者で膵がんに注意すべき場合には、高齢発症糖尿病、急激な血糖コントロールの悪化、体重減少がある場合、そして . . . 本文を読む
糖尿病の重要な合併症には大血管障害(動脈硬化性血管障害)もあります。
脳血管障害、虚血性心疾患、閉塞性動脈硬化症ですね。
また、糖尿病性足壊疽も重要であり、その予防には爪のケアも含めたフットケアが重要です。
さらに、糖尿病患者では悪性腫瘍の発生のリスクが健常人と比較して有意に高いということが判 . . . 本文を読む
まず、糖尿病の合併症の有無とそのリスク評価が大切です。
糖尿病特有の合併症である細小血管障害には、網膜症、腎症、神経障害があります。
網膜症の早期診断のためには眼底所見を定期的に評価することが必要です。
重篤な網膜症がある患者では、急速な血糖低下で網膜症が増悪することがあるので(硝子体出血など)注意を要します。
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