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総合診療医Dr徳田安春の最新医学情報集

抗菌薬選択の大原則

2016-08-22 | 勉強会

抗菌薬選択の大原則

~総合診療医のための感染症スタディガイド~

 

l         はじめに

 

 風邪などのウイルス感染症で抗菌薬が不要なことは常識である。

 

 だが、「細菌感染症=抗菌薬が必要」でもない。

 

 細菌感染症には抗菌薬なしで自然軽快するものも多い(表1)。

 

 COPDなどの基礎疾患を有する患者での気管支炎(COPD急性増悪)では抗菌薬を使用する。

 

 COPDの診断は身体診察でも可能である(文献1)。

 

 また、抗菌薬には「不適切な使用が耐性菌を生む」という別の負の刃を忘れてはならない。

 

表1.抗菌薬の原則不要な感染症

 
 

小児急性滲出性中耳炎

A群溶連菌以外の咽頭炎(膿瘍なし)

気管支炎(基礎疾患なし)

急性副鼻腔炎(発症1週間~10日間以内で軽症)

急性腸炎(非旅行者で軽~中等症)*

無症候性細菌尿(妊婦と泌尿器科術前患者以外)

 

*抗菌薬投与で逆に症状増悪することあり(病原性大腸菌による腸炎など)

 

 
症候別“見逃してはならない疾患
徳田安春
医学書院

 

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