前回に引き続き、生活習慣病の予防法と治療法について考えるシリーズ、今回も肥満について考えていきましょう。
前述しました、メタボリックシンドロームは次の5項目に基づいて診断されます。
①ウエスト(へその位置)の周囲径、男性85cm以上、女性90cm以上
②高いトリグリセリド(中性脂肪)値
③高血圧
④低いHDL(善玉)コレステロール値
⑤高い血糖値
ウエスト周囲径の基準値以上に加え、他の二項目以上の計三項目で異常値があった患者は、メタボリックシンドロームと診断されます。
肥満対策としては、摂取カロリーを抑え(食事療法など)、消費カロリーを増やす(運動療法など)ことが基本となります。 肥満は今、若年齢化が進んでいます。 小児期・思春期からの予防が非常に有効です。
思春期までに予防できなかった人は、いまから次のような肥満対策を実行しましょう。
まず、自分の体重を知ることからはじめます。 体重は一週間おきに記録をつけ、そのときのBMIも計算して記入しましょう。 理想体重はBMIが22です。 自分のBMIと理想BMIを比較します。
減量による身体的・経済的利益を知り、減量する意義をしっかり理解して取り組むようにします。 利益としてはまず、前述した病気の改善や罹患率・死亡率を減少させます。 そうすれば治療費を下げることができ、ストレスの軽減にも役立ちます。
以下に食事方法の改善法を上げていきます。
●一日三食、決まった場所でのみ食事をする
●間食しない
●高カロリー食は避ける、買わない
●スローフードを多く含める(ジャンクフードは高カロリー)
●刺激物は避ける(味覚の低下を招き、量を多くとってしまう)
●食前の喫煙は避ける
●食事に集中する(テレビは見ないなど)
●箸でとる量を減らし、一品一品味わってよく噛んでゆっくり食べる
●食事は少ない量を皿にとり、時間をおいて出す
●食事中に頻回に水を飲む(肥満防止の一番簡単な方法)
以上のことに注意しながら、毎日の食事について、その時間、場所、内容、量、そのときの精神状態(急いでいたなど)、環境、食前の喫煙などを記録し、改善できるものを一つひとつ考えることが大事です。
今回はこの辺で、食事療法や運動療法もとても大事ですが、絶対に無理をしないことです、無理をして体重を減らそうとしても後で必ずといっていいほど、反動がきます、いわゆるリバウンドというやつです。 無理をせずに一週間で0,5kg~1kgでいいのですから。