みなさん、こんにちは。
では、前回ケースのその後の展開をみてみましょう。
かかりつけ医では「頭部CT検査と腰椎穿刺が必要」と考えたが、病院へ来院時、上肢の脈拍は触知可能であるも、微弱にて血圧測定できず。
いわゆる「ショックバイタル」でした。
急性病態ではまず、バイタルサインの測定が必須です。
「ショック」が原因で脳血流の低下により「2 次的に」意識障害・けいれんを生じていたのです。
「血圧低下+脳血流低下徴候」の患者においては、「ショック」に対する診断的評価を優先的に行うべきです。
この症例のような心臓血管系の低容量性ショックの急性病態では、急性大動脈解離と大動脈瘤破裂を見逃さないことが重要です。
そのためには血圧と脈拍の対称性symmetryを確認する。
すなわち、「対称性の破れ」がないかどうか、四肢の脈拍を触知します。
心臓血管系の急性病態で両下肢の脈拍が減弱したり、上肢の片方の脈拍が減弱したりしている場合には、急性大動脈解離と大動脈瘤破裂を疑います。
「対称性の破れ」とは、量子力学の用語であり、素粒子レベルでは「対称性の破れ」があるため、宇宙が創生されたとのことですから、重要な概念です。
この症例ではまず、ショックバイタルに対する初期対応として18ゲージで2本の末梢静脈ラインを確保急速輸液が開始され、ベッドサイドエコーにてすみやかに「腹部大動脈瘤破裂」が診断されて、手術室へ直行となりました。
最終診断:腹部大動脈瘤破裂
写真 都内の公園
一昨日のこのメニュー
なんと、500キロカロリーちょっとしかありません。大変満足でした。
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