今回も前回の続きです。
検査も健診(検診)も賢く選ぶ時代になってきています。欧米では、医師と市民団体、メディアが全国民に向けて、診断や治療において賢く選択することをねらった運動(Choosing Wisely)がうねりとして起きている。日本でも早晩このようなうねりが起こると思います。
総合診療医学の教育に関心のある医師集団が参加する「ジェネラリスト教育コンソーシアム」の第5回学術集会(2013年12月、名古屋)で、私(徳田)が、「Choosing Wisely」を主題に「あなたの医療、本当はやりすぎ?-過ぎたるは及ばざるがごとし」というテーマの初会合を開催しました。
医師がそのプロフェッショナリズムに基づいて、患者のアウトカムをよくするための科学的エビデンスに基づく推奨リストを、患者・医師の信頼関係を中心にしてshared decision makingを行うことが目的です。
アウトカム改善のエビデンスが無く、侵襲的な精密検査を誘発し、精神的不安を与える偽陽性リスクもある脳ドックやPET検診、腫瘍マーカー健診、などが全国の医療機関で行われているという実態について、医師がその有害性について患者に対して知らせるという倫理的に正義であり患者のための活動なのです。それがプロフェッショナリズムです。
害を与える恐れのある健診・検診を行っていることに対して、医師はもっと発信していいのではないか。医療財政も破綻しかけている。そういう時代に、どうみてもおかしいと思われる過剰医療を放置しているのはいかがなものかということです。
今回は以上です、話変わって、昨年登場しましたドクターG「おなかが痛くて痛くて」の再放送の連絡です。いまのところ、7月7日(火)午後2時05分~53分の予定です(再放送枠です、急遽変更の可能性もあり要注意願います)。では次回に。
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