前回に引き続き、健康長寿は子供から、親がいますぐできること、の今回は乳児突然死症候群の原因と予防について考えていきましょう。
乳児突然死症候群(SIDS)は、乳児が突然死にいたる原因不明の症候群で、アメリカでは乳児死亡原因の第一位、沖縄県では第三位となっています。 その発症は、生後一ヶ月未満ではまれで、生後2~3ヶ月に最も多く、その後、その頻度は減少していきます。
疫学研究などから、考えられているSIDSの危険因子として、次のようなものがあげられます。
●うつぶせに寝かせる
●やわらかいベッドに寝かせる
●妊娠中の喫煙(アルコール、麻薬の使用を含める)
●出生前ケアを受けない場合、出生前ケアが遅れた場合
●早産および低出生体重児
●男児
●その他(寒い季節、貧血・尿路感染症などの母親の病気、母親が独身・若年の場合、妊娠合併症の既往など)
アメリカでは、1990年代前半にアメリカ小児学会が乳児を仰向けに寝かせるよう勧告を出し、その後SIDSの発症は劇的に減少してきてます。 そのほかにもいくつかの考えられる原因を考慮し、アメリカ小児学会は2005年10月に最新の予防法を発表しました。
①乳児を仰向けに寝かせる
②ベッドのマットレスはかたいものを使用する
③やわらかすぎる寝具は危険
④妊娠中および乳児のいる環境では喫煙をしない
⑤乳児は親と別のベッドで寝かせる
⑥昼寝や就寝時に乳児にオシャブリを与える
⑦乳児に厚着をさせない
この他に、SIDSのリスクを下げると宣伝されている商品は、その効果・安全性が確実に認められているわけではないので、その使用は避けるべきであることや、離れていても子供の様子がわかるモニターはとくに心臓病や呼吸器疾患をもった乳児を除き、使用するべきではないとの指摘がされています。
今回はこの辺で、次回も乳児突然死症候群について考えていきましょう。