引き続き、生活習慣病の予防法と治療法を考える、今回から糖尿病について考えていきましょう。
糖尿病の発症には、遺伝要因、加齢、運動不足、内臓脂肪型肥満などと関連した末梢組織におけるインスリン抵抗性、血糖上昇に対する膵β細胞のインスリン分泌不全などが複合的に作用しているといわれています(ここでは主にⅡ型糖尿病について触れます。 日本人の多くがこのⅡ型糖尿病です。)。
なかでも肥満は糖尿病とは切っても切れない関係にあり、BMIの増加と糖尿病の増加には相関があり、アメリカの統計によるとⅡ型糖尿病の80%~90%は過体重~肥満とされています。
さらに、最近のアメリカでは、小児期から思春期にかけての肥満者の増加に伴い、10歳代でⅡ型糖尿病と診断される子供も増えてきており、肥満・糖尿病の若年齢化が社会問題になっています。
日本では、糖尿病の診断には、日本糖尿病学会が1999年に定めた基準を用いています。 これはアメリカ糖尿病学会が1997年に出した診断基準をもとにつくられたもので、空腹時の血糖または75g経口ブドウ糖負荷試験にて診断します。
具体的には、糖尿病型が、空腹時血糖126mg以上または75g経口ブドウ糖負荷後2時間で200mg以上。 正常型が、空腹時110mg以下かつ負荷後2時間値が140mg以下。 そして境界型が、両方の間ということになります。
アメリカ糖尿病学会は以下に当てはまる人すべてに糖尿病検査を推奨していますので、該当する方は一度検査することをおすすめします。
●45歳以上の人すべて
●高血圧・肥満・糖尿病の家族歴・HDLコレステロールが35mg以下、トリグリセリド(中性脂肪)250mg以上・以前の検査で境界型と言われた方
今回はこの辺で、前にも書きましたが家族とくに一親等以内(簡単に言うと両親)が糖尿病と診断されているならば、是非とも検査を受けて頂きたい、糖尿病もそうですが早めの発見は打つ手が多く残っているということです。