燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医Dr徳田安春の最新医学情報集

ケース、その後の経過と解説

2021-10-19 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。
 
 

低血糖では、インスリン拮抗ホルモンとしてのカテコラミンを瞬時に放出するため、交感神経活動が亢進する。

 

そのため、頻脈と心筋収縮力の増大(心臓の駆出量の増大)をきたし、バイタルサインでは、収縮期血圧はむしろ上昇し脈圧も拡大することが多い。

 

この患者では、血圧上昇に加え、90-75=15と脈圧が低下しており、低心駆出量状態 low stroke volumeが考えられる。

 

一般的に脈圧が収縮期血圧の25%未満であれば、低心駆出量状態を示唆する。

この症例ではまた、頸静脈圧の上昇を認めた。

脱水や出血による低用量性ショックでは、頸静脈圧は低下するため、頸静脈圧の上昇をみるショックを考えるべきとなる。

 

さらには身体所見より多量の冷汗を認めており、糖尿病患者で冷汗をかくもうひとつの病態として、急性心筋梗塞(急性冠症候群)も考えるべきとなる。

意識障害もショックによる2次的なものと判断される。

 

心臓の聴診でS3ギャロップを認めていた。

30歳以上でS3ギャロップの存在は、左室拡張末期圧の上昇を意味する。

これは左心不全や心原性ショックで認められる所見であり、重要な所見である。

 

この症例ではただちに心電図検査が施行され、前胸部誘導の広範囲でST上昇があり、広範前壁の急性心筋梗塞による心原性ショックの診断となった。

緊急で経皮的冠動脈インターベンション等の治療を行い軽快した。

 

最終診断:急性心筋梗塞による心原性ショック

 

 

写真:八重瀬町の海岸

 

 

 

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