細菌感染症の診断
細菌感染症の診断は、診断学の基本である病歴と診察によって起炎菌の予測も含めた初期診断を行い、必要に応じて検査とグラム染色により確認し、初期治療を行う。
その後、培養結果で再確認する。
おもな部位別感染症における特徴的な症状と身体所見、主な起炎菌（市中）を表２に示す。
表２：おもな部位別感染症における病歴・身体所見・代表的な起炎菌（市中）
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部位
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症状
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身体所見
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主な起炎菌（市中）
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咽頭炎
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咽頭痛、咳なし
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扁桃腫大・白苔
前頚リンパ節腫脹
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Ａ群溶連菌
淋菌
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肺炎
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咳、痰、悪寒、寝汗
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頻呼吸、crackles（文献２）
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肺炎球菌
インフルエンザ菌
クレブジエラ
マイコプラズマ
クラミドフィラ
レジオネラ
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腎盂腎炎
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頻尿、排尿痛、腰痛
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肋骨脊柱角叩打痛
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大腸菌
クレブジエラ
プロテウス
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膀胱炎
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頻尿、排尿痛
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発熱なし
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大腸菌
ブドウ球菌＊
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前立腺炎
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頻尿、排尿痛
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「ソフトでやさしい」直腸診で圧痛
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大腸菌
クレブジエラ
プロテウス
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尿道炎
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頻尿、排尿痛、尿混濁
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発熱なし
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淋菌
クラミジア
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腸炎
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下痢、嘔吐、腹痛
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腸蠕動音亢進
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サルモネラ＊＊
カンピロバクター
黄色ブドウ球菌
病原性大腸菌
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胆嚢炎・胆管炎
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右上腹痛、嘔吐
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Murphy徴候、黄疸
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大腸菌
クレブジエラ
嫌気性菌＊＊＊
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肝膿瘍
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発熱、右上腹痛
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右上腹部叩打痛
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大腸菌
クレブジエラ
嫌気性菌＊＊＊
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腹腔内膿瘍
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発熱、腹痛、腰痛
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Psoas徴候
Obturator徴候
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大腸菌
クレブジエラ
黄色ブドウ球菌
嫌気性菌＊＊＊
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蜂窩織炎
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皮膚発赤、腫脹
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熱感、圧痛
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黄色ブドウ球菌
レンサ球菌
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髄膜炎
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頭痛、昏迷
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意識障害、項部硬直
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肺炎球菌
髄膜炎菌
リステリア
インフルエンザ菌（小児）
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関節炎
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関節痛、腫脹
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熱感、圧痛
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黄色ブドウ球菌
レンサ球菌
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心内膜炎
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発熱
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末梢サイン、逆流性心雑音
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黄色ブドウ球菌
レンサ球菌
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＊Staphylococcus saprophyticus
＊＊旅行者では次も考慮：コレラ菌、赤痢菌、腸チフス菌（腸チフスでは便秘のことあり）
＊＊＊Bacteroides fragilisなど
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