ふぇみにすとの雑感

日々の雑感、テレビ、社会、フェミニズムについてなど。モンタナ発信。

冷戦時代のDuck and Cover

2008-11-02 04:57:33 | 日々の出来事、雑感
前回エントリの「おそろしいマルクス主義者」イメージに関連して思い出した。
大学で行っていた、核問題関連の映画シリーズの中で、先々週、The Atomic Cafeという映画を見せた。1982年、冷戦時代につくられたドキュメンタリー映画で、核兵器に関するプロパガンダ映像などを集めてつくられている映画だ。
この映画ができた頃は、アメリカの大学キャンパスなどで、カルト的人気を誇ったらしい。

しかしながら、今の大学生にとって冷戦時代はいわば遠い昔。学生たちの多くが生まれる前に作られた映画だもんなあ。80年代にキャンパスなどで上映された際には、学生たちが大爆笑しながら見たようだが、今の学生たちにとっては何を笑ったらいいかわからないほど「遠い世界」の話みたいで、しーんとしていた。その静けさに、この映画が人気だった時代を知っている教員やスタッフは世代差を感じ、ちょっとショックだったようだった。

でも、「この頃のアメリカ人たちの「共産主義」へのパニックや、恐浮「たずらに煽る手法は、今のテロリズムに対するものと似ている」という鋭いコメントもあった。

この映画の中で"Duck and Cover"というのについて、プロパガンダ映像が紹介されている。youtube映像を下にリンクした。

いつ原爆による攻撃がソ連からあるかわからないから、それに備えて自らを守る訓練をしましょう、ということで、学校などで盛大に行われていたらしい。映像だと、日本の地震に対する避難訓練のようなもので、例えば学校にいる子どもたちが机の下に隠れて、身を丸めて頭を隠したりしている。

まあ地震の場合、上から何か落ちてきたりするかもしれないので、机の下に隠れようというのはわからないでもないが、核攻撃では、、どう考えても無意味だ。だが、アメリカの学校では、当時この訓練を真剣にやっていたらしい。その頃私はアメリカにきていなかったので知らなかったけれど、当時子どもだった教員やスタッフが、妙に懐かしげに、自己嘲笑的にこの経験を語っていた。
子どもながらに、Duck and coverなんかで核爆弾が防御できるわけもない、ばかばかしい、とわかっていたらしいが、それでも学校で盛大にやらされていたという。

アメリカの学校、すごいことやってたんだな、、。しかし昨今の「テロリスト」も同じように扱われているところがまた何ともなあ。一時期毎日のようにニュースでやっていた、テロリズム危険度の色わけとか(今日はオレンジだとか、赤だとかやっていた)、ダクトテープが売り切れたりとか、、
そして、「おそろしいマルキシストのオバマ」などと言われたりするところをみると、この時代の「マルクス主義」やら「共産主義」という言葉をいたずらに恐賦エを煽るのに使うという手法も、実はまだ根強く続いているのかもなあと思える。

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