ふぇみにすとの雑感

日々の雑感、テレビ、社会、フェミニズムについてなど。モンタナ発信。

ブッシュ退任

2009-01-21 11:28:53 | 人類学
ブッシュ大統領から、ブッシュ氏/ブッシュさん、に日本のニュースサイトの表記が変わっているな。。

このブッシュ氏のイエール大学時代、唯一Aをとった科目だったという、人類学を教えている私も、ちょっと感慨深いのだった。

しかし、今までの8年間は何だったんだろう、、と思わせる、オバマ新大統領のスピーチだった。ついでにあれをもしペイリンがやったら、、と思うと負゚ぎる。ウインクしまくり、"You betcha!"言いまくりの就任スピーチか。




『日本のすべてが好き』なアメリカ人?

2009-01-16 17:19:30 | 人類学
今日、授業がはじまった。今学期は日本関係の授業を二つ受け持っているのだが、そこで自己紹介ついでに「なぜこの授業をとったのか」と聞いてみたところ、、「日本の歴史も文化もすべてが大好きだから」なる答えをしてきた学生が数人いた。

これって何なんだろ、不思議だ。「日本の歴史や文化」についてなにを念頭においてこのコメントがでてくるのか気になるところだ。
私が日本人だから、学生ならではの気遣いでこういうコメントがでてきた可能性もあるとは思うが、それだけではないようにも思う。「自分の国」ではないからこそ、単純に理想化できる面もあるだろう。ャsュラーカルチャーの授業にこのコメントした学生が多かったところをみると、マンガやアニメの影響なのか、「歴史」がでてくるところをみるとオリエンタリズムもちょっとはいってるのか。

たとえば日本人で、「アメリカの歴史や文化のすべてが大好き」という人がいたら、私としてはちょっと不思議なわけだが(まあ、いるのかもしれないが)、一昔前の「アメリカへのあこがれ」的な感覚を、「日本のすべてが大好き」学生たちは日本に対してもっていたりするのだろうか。(原因がもしあるとしたら、やっぱりマンガやアニメなのかなあ。。)

先学期の授業では、現代日本の社会問題について扱ったところ、「題材があまりにネガティブ」というリアクションがあった。まあたしかに、原爆やら被爆者補償(の欠落)の問題から、水俣病の補償問題、現在の派遣労働や格差社会問題、マイノリティ差別問題などなど、、、明るい材料をみつけるのはけっこうきつい問題の数々を扱ってしまったからなあ。まあ、そういう授業だったので仕方ないんだが、、それにしても、どうやって教えるのか、どういう題材を選ぶのかというのは、難しいなと思った。
それにプラスして、日本の問題を語るのにアメリカの問題は外せないことから、そこにつっこんでしまい、ますますどよーん、、としてきたのかもしれない。

今日会った「日本のすべてが大好き」系学生たち、今学期が終わったとき、「日本社会/文化」をどう考え、どういう印象をもつのだろう。そして、先学期の社会問題授業をとった学生たちも数人いたが、何か印象が変わる面があるんだろうか。興味深いな。


点字離れと博物館

2008-10-29 22:41:07 | 人類学
Museum of the Rockiesという博物館が坊主マンにはあって、恐竜、化石、モンタナの歴史などの展示がある。大学とも関係が深いようだ(っていうか、大学の施設という位置づけに近いのだろうか。)私の家からクルマで3分くらいのところにあるのだが、ここに先日初めて行った。友人の、日本の国立民族学博物館で研究員をしておられる広瀬浩二郎さんが大学を訪れていたので、いっしょに行ってみたのだった。

広瀬さんは全盲の研究者。「ユニバーサルミュージアム」という概念に基づく展示を民博で企画されていて、点字や「触る」ことに焦点をあてた展示を行ったりもしておられた。というわけで、ど田舎坊主マン自慢のミュージアムがどんなものだか見てみたいということもあった。

その博物館でバイトをしている学生によれば、盲学校だかのツアーが組まれた事もあるとのこと。前日に博物館に電話はしてあったのだが、急だったためアモヘとれていなかった。だが、研修があるとのことで、担当者は全員出勤しているはずだといわれていた。

だが、、受付の人に視覚障害者のための情報が知りたいと言っても言っても、「うちの博物館は何もやっていない」と冷たい対応。それでも粘りに粘って、ゲストサービス担当者に来てもらうことに成功した。その人が、もう一人関連担当の人を呼んできてくれた。その二人の人たちの話によれば、いちおう機械による、オーディオサービス的なものの導入を計画したりと、今後にむけて何か考えているらしい。受付の人、全然わかってないじゃないか。。受付がこれでは、視覚障害者がこの博物館にきたら、受付で「何もありません」といわれて帰ってしまって終わりだろう。

しかし、機械によるオーディオ案内は広瀬さんによればわかりづらく、実際に人がガイドしてくれるほうが全然いいらしい。ということを博物館担当者に聞いてみたのだが「前もってアモニってくれれば準備するけれど、、」とのこと。でもツアーとかで来ない限り難しそうでもあった。視覚障害がない人たちは、ふらっと好きなときに博物館に行く事ができるけれど、何日も前から団体でアモニって行かなくては楽しめないとは、、

さて、この博物館、ケースの中に陳列している以外に、いくつか触れる展示もあるということだったので、展示のほうにいってみた。だが、結局触れるものは古代の岩石や、ありがちな化石の一部くらい。とくに岩石は、見るだけでも色が多少違うくらいで同じようにみえるのに、触ってみてもほとんど違いもわからない。私も触れるものは触ってみるようにしたが、私の触覚は広瀬さんより圧涛Iに鈍いこともあるだろうが、それでも違いはほとんどわからなかった。同じような岩に触っても「なんだこれは」と思うだけ。そして、展示に関する点字の説明も何もないのだった。「子ども室には触れるものがある」といわれて行ってみたけれど、そこにあるのは恐竜のぬいぐるみとか、蛇のおもちゃとかばかり、、。

点字については博物館の人にも聞いてみたが、まったく用意していないのだという。各国語に末オたパンフはあって、日本語もあると言われたけれど、日本語パンフもその場では視覚障害者の方々になんら役にたつものではないのだ。そして、今後も点字のパンフ、点字での点字説明などを設置する予定もないのだという。理由をきいたら、「たしかにいろいろなところからお客さんはくるけれど、地元の視覚障害者のための団体いわく、この近所には全盲の人は少なくて、法律的に盲人だと登録されているのは2名しかいない。だから、優先すべきは、少し見えるけれど全部は見えないという人たちで、その人たちのために字を拡大したパンフなどをつくることは企画している」とのことだった。
予算が限定されており、とくに点字はお金がかかるから、、という理由なのだろうが、それにしてもその2人の人たちと、ほかの土地から来る全盲の方々はどうなるんだろう、、と思った。

しかし、広瀬さんによれば、こういった「点字離れ」はアメリカのみならず、日本でもすすんでいるのだという。とくにコンピューターの発展があり、点字ではなくコンピューターで、オーディオで、あるいはこの博物館のように字を拡大して、、のような流れがあるのだということだった。

だが、その後にランチを食べにいったレストランに、点字メニューがあった!レストランが点字メニューをつくっているのに、博物館ができない、っていうのもおかしいよな、、と思ってしまったのだった。

翌日、授業で、この博物館訪問の話を学生たちにしたら、「2人しかいないから点字つくらないって、ひどい言い訳だ」という発言があった。学生の反応に私も同感だった。予算や、地元の視覚障害者サメ[ト団体の考える優先順位がからんでくると難しい問題なのかもしれないが、なんとかこの博物館に展示およびガイドを改善するよう働きかけしていきたいものだ。

民博では 点字を発明したルイ・ブライユ生誕200周年を記念して、来年、点字に焦点をあてた展示を広瀬さんを中心に企画しているそうだ。



"four-field"人類学を教えるのは辛いよ

2008-10-20 11:06:23 | 人類学
今学期、イントロ人類学の授業を担当しており、私の専門ではない、生物人類学と考古学を主に学期の前半扱ってきた。それがやっと明日で一段落し、文化/言語人類学にはいる予定。

いわゆるアメリカ人類学の"four-field anthropology"の伝統のため、私が自らの本来の専門とはほど遠い、geneticsだの、猿に原人、メソャ^ミア文明だのを教えなくてはいけないはめに陥っているのだ。まあ一般教養レベルだからいいとはいえ、けっこう大変なものがある。しかも120人授業なので、全部講義形式だし、、アメリカにおける人類学の担当授業の中で、やっぱり入門が一番大変かもしれない。

いちおうテキストレベルは理解しないと教えられないので、私も必死にさらって勉強して授業に挑んでいるわけだが、なんか私ばかり教養が深まって、学生はわかっているのか、、という一抹の不安が。(いちおう教科書はあるから大丈夫とは思うが、、)明日になったら、金曜に行ったマークシート方式の中間試験結果が戻ってくるので、ある程度の見当はつくかな。

とにかく明日さえ乗り切れば、精神的にはだいぶ楽になるはず、、と思って、最後のひとふんばりだ。