スケッチブック30（反ワクチン どうしても分からない）

8月8日（日）
　私が加入している団体の機関誌に、反ワクチンの人の心理状態を載せた一文が、入っていた。まあオウム信者と同じでイワシの頭も信心からというものである。それは分かるのだが何故彼らはイワシの頭を信心するのか、そこが書かれていない。
　例えば彼らは政府発表には嘘がある、隠蔽されたものがあると言うが、それは宜しいが、ではなぜ彼らが信仰する説なり論理なりには、隠蔽と嘘はないと信じ込むのだろうか。昔古代史をちょっと覗いた時、そのことを強く感じた。確かに日本書紀と古事記には時の為政者に都合の良いように、創作されたり捏造された所があるだろう。だから記紀は信用できないと言うのだが、ではなぜ彼らは秀真伝とかの所謂古史古伝は信用するのだろうか。こちらの方がよっぽど怪しいと言われているのに。普通に考えて古史古伝だって記紀と同じように創作と捏造がされていると疑うのが、当たり前の姿勢であろう。つまり彼らは記紀と古史古伝を同じ目で見ないのである。記紀を見る時は疑いの目で、古史古伝を見る時はそこに真実があるとの目で、見るのである。そういう極端なダブルスタンダードを取っている。古田武彦という人は優れた研究者だと思っていたが、そういう人でも和田家文書に簡単に騙されて、啞然としたものだ。これはどうも偏差値的な頭の良さとは関係のないものらしい。
　反ワクチンの人は、反ワクチン学者の言う事を、まったく疑ってみない様なのである。何故か。そこが全く分からない。
　昔、低線量放射線は体に良いとの説を唱える人の、講演会に出たことがある。私にはその正否は分からない（反対論の人も多い）が、出席者のほとんどが講演者にその論拠を尋ねるのではなく、私も賛同しますとの態度表明を主にしているように映って、宗教団体の集会のように感じたことがある。その後、低線量放射線は体に良いとの説が大勢を占めるようになった、との話を聞かない。郵政民営化の時に、アメリカに金を取られるとの説が、流行したものだ。だが実際に取られたとの話を聞かない。子宮頸癌ワクチンはマスコミと金儲け学者のタッグで任意接種になってしまったが、もう少ししたらそのからくりが白日の下に曝されるようになると、考えている。これらは反権威的学説の、間違いの無残な例である。権威側の学説にも反権威側の学説にも、人間のやることである、同じように情実とか行き掛かりなどから隠ぺいとか誤りがあるだろうと、どうして同じ目で見ないのであろうか。
　ここの心理が私にはどうしても腑に落ちない。心理学を勉強しないと分からないのかも知れない。