スケッチブック30

生活者の目線で日本の政治社会の有様を綴る

スケッチブック30(孔子は儒教の創始者ではない)

2023-11-27 21:05:18 | 日記
11月27日(月)
 石平さんがVoise(何年何月号かは分からない、ネットの記事には2023年1月11日とある)に書いたものの要約文を、ネットで見た。中身は「論語」に書かれた孔子の言動と、前漢時代に国教となった儒学では、教えの内容が著しく異なっている。同じ儒教とは思えない。「論語」の孔子は親しみが持てるが儒教の教えは残酷である。だから孔子は儒教の創始者ではないだろうと言うものである。
 まあ石平さんは読者の耳目を引く為に言っているのだろうが、誤解を招く表現である。私の先生はこう言っていた。先生の先生はよく「儒ではこう言う、仏ではこう言う」と教えていたそうだ。それに対して先生は「それは何時の時代の儒なのか、仏なのか」と、反発を覚えていたそうである。そして我々生徒に対して、「儒でも仏でも時代によって正反対の事を言う、そこをよく理解するように」と教えてくれた。
 孔子の時代の儒教と前漢の時代の儒教(多分董仲舒が作ったのだろう)が、大きく違って当然である。石平さんは、私は孔子の時代の儒教が好きだと言えば、良かったのである。
 余談だが私は「論語」を読んだことがあるが、あまり感心しなかった。格言とかを求めるなら、佐藤一斉の「言志録」の方が、余程グッとくる。「論語」は春秋時代の中国の政治とか人々の考えを知る、資料として読むのが面白いと思う。墨子の「非儒編」と併せて読むと、理解が行くと思う。

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