スケッチブック30

生活者の目線で日本の政治社会の有様を綴る

スケッチブック30(ウクライナ ロシアを擁護する馬鹿らしさ)

2022-07-02 15:47:10 | 日記
7月2日(土)
 ロシアにはウクライナ侵攻の理由があろう。プーチンはナトー拡大への自衛戦争だと思っているのだろう。西側の報道にはプロパガンダの要素があるし、武力による現状変更を許さないという西側のうたい文句も、現状が西側に有利だから言うに過ぎないとの指摘も出来よう。西側が天使でないことは確かである。
 だからと言ってロシアを擁護して何になる。西側から見れば、ロシアから見える西側不善以上に、ロシアの悪が言い立てられよう。ロシアに利権を持っている鈴木宗男のような人物は別として、普通の日本人がロシア擁護をする意味が分からない。日ソ中立条約違反を見ろ、シベリア捕囚を見ろ、満州朝鮮での避難民に対する暴虐行為を見ろ、また何人のロシア人ジャーナリストが殺されている事か、全く以て擁護する気持ちになど成れない。
 近衛文麿に「英米本位の平和主義を排す」という論文がある。英米は平和主義人道主義を掲げるが、それは彼らの世界支配(現状維持)に都合がよいからそう言っているに過ぎないとの、論旨のものである。だから持たざる国である日本はドイツと同じように、現状破壊(それは権利である)に進むべきだと説く。その後近衛は首相となってこの考えを、国家の政策として、実行した。
 近衛の論旨には大きなまやかしがある。それは平和主義人道主義は尊いが、英米のそれは偽善だと強調して、英米そのものを貶めるというか卑小に見る姿勢を人々に与えて、なんとなく日本は素晴らしいと思わせる所である。確かに英米の平和主義人道主義は限界も欠陥もある不成熟なものであろう。しかしそれに代わる日本やドイツの平和主義人道主義はもっと不成熟なものだ。英米の理念を否定するのは良い。しかし英米そのものは否定できない力を持っている。英米も日独も互いに理念を否定すれば、残るのは力対力の関係である。そしてそれが現実である。近衛の論文は力対力の関係を、冷静に見させないように導くもののように、私には思われる。
 西側対ロシアも同じである。理念、それは互いにプロパガンダに塗れている、を排してどっちが勝つか見るべきである。日本にとって西側が勝った方が利益になる。また西側が勝つと思う。