『父子の剣』目安番こって牛征史朗

「目安番こって牛征史朗」シリーズ第5作『父子の剣』を読んだ。4巻を飛ばして読んでしまったらしいが、ほぼ1作ごとに事件を扱っているのでそれでもかまわない。長寿庵という蕎麦屋の大食い大会に出場した初老の武士が口から血をあふれさせてこと切れた。武士は御公儀御小納戸頭・近藤英之進であった。女中の目撃証言から征史朗となじみの幇間（たいこもち）の久蔵が犯人とされ、征史朗にまで疑惑がかけられる。目安番・花輪征史朗の危機に、元隠密回り同心・河瀬吉蔵とせがれの同心吉太郎が立ち上がって真相を解明する。前にも書いたが、やはり立ち回りが乱暴な描き方なような気がするのは否定できない。