やまちゃん奮闘記

1970年代から海外に出かけ、滞在した国が合計26か国、21年の海外生活が終わりました。振り返りつつ、日々の話題も、

大阪都構想、また否決

2020-11-03 | 政治・経済

2度目になった「大阪都構想」の住民投票の投票率は62・35%だった。僅差で否決された5年前の住民投票に比べて約4ポイント下回ったものの、投票権を持つ大阪市民の高い関心を集めた。

10月13~31日に実施された期日前投票をした人は41万8925人に上った。前回より約6万人多く、過去に市内であった期日前投票の中で最多だった。市選管が新型コロナウイルスの感染予防対策の一環で期日前投票の積極活用を呼びかけたことが影響したとみられる。全投票者数(137万5313人)の約3割を占め、投票率を押し上げる形になった。今回は18~19歳の投票も可能になった。

11月1日の投票および期日前投票の結果は、下記の通り、賛成:675,829 反対:692,926で、約1万7千票の僅差で反対多数となった。

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二十四行政区のうち賛成が上回ったのは十区。特に、梅田を抱える北区、JR新大阪駅のある淀川区、再開発が進む西区などで差が開いた。六十五歳以上の高齢者が少なく、現役世代の比率が高いエリアだ。

反対が多かった区で差が最大だったのは、投票者数が9万6757人と最多だった平野区。反対が賛成を8377票上回り、全体の票差の約半分を占めた。8万923人が投票した住吉区でも8045票差がつき、昔ながらの住宅街や高齢者が比較的多い南部の大票田で支持が広がらなかった。

 

反対多数となった理由について、あげられているのは:

1.「現状維持バイアス」が働いた。

特に高齢者層を中心に「大阪市」に対してノスタルジーを感じる人たちを狙って、「特別区に移行すれば後戻りができない」「130年の歴史ある大阪市が終わる」などといった反対派のアプローチはこの点を狙ったものともいえる。

2.維新による府政運営の賛否と都構想賛否が必ずしも一対一対応していなかった

3.公明党本部は山口代表まで来阪させて賛成を推し進めたが、公明党と創価学会が一枚岩になれなかった。

4.26日に出された毎日新聞の報道「大阪市4分割ならコスト218億円増 都構想実現で特別区の収支悪化も 市試算」との打撃報道

こちらなどの報道

 

上記1の背景には、大阪市民には「大阪都構想」がはっきり伝わっていなかったのではないかと思われる。外部の私がいろいろ調べても、何が問題で、どう変わるのか、その結果の効果は? はっきり読みきれない。→こちらに維新の会のサイトに、解説があるが、読み取りにくい

こちらの「4コマ漫画でわかる大阪都構想」の方がずっとわかりやすい。

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一般市民・国民には、その中身が分かりにくい。組織運営者から見ると、「意思決定や組織構造にムダが多くて扱いにくい」ことが明らかでも、それを改革するために国民や市民を説得するのは、難しい。
"新しい世界に飛び込もう"は、若者へのスローガンとしては魅力的でも、主に高齢者層が恩恵をこうむる社会システムの改革提案としては、保守的な人々を巻き込む圧倒的なパワーがなければ、成功はしないだろう

元大阪府知事、大阪市長で弁護士の橋下徹氏の説明・分析がわかりやすい。橋下氏は大阪都構想について「“薬”が大阪都構想運動、“手術”が大阪都構想そのもの。府市がものすごい対立状況にあった2008年状態、僕が知事になったときは本当に対立していてぐちゃぐちゃだったんです。これが“病気状態”」と比喩を交えて説明。“薬”によって“病気状態”が緩和された結果、吉村洋文大阪府知事、松井一郎大阪市市長などの力もあり、現状では“手術”が不必要だと思われてしまったと敗因を分析した。→こちらなどの報道

「大阪都構想」には橋下徹氏が言っているような政治の歴史が背景にあったのが、大阪市民には100%は受け入れられなかったのだろう。

 

私が住んでいる横浜市(人口推計:3,757,630人)は大阪市(人口推計:2,750,995人)と地形的にも違っているが、横浜市では「都構想」でなく、神奈川県から市域の仕事と財源を移譲し、事実上独立する「特別自治市」の実現を目指している。→こちらなどの報道

横浜市民ではなく、神奈川県の財源が大きく減り、神奈川県の外の市からの反対が出るのではなかろうか?

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<追記>

大阪都構想の敗因分析と今後→こちらの論説

 

 

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