米中の経済紛争で、中国の経済について目が奪われているが、日本の財政について見てみよう。
2018年度末時点での、借金1103兆3543億円の内訳は、国債が976兆8035億円で、17兆6622億円増えた。金融機関などからの借入金は53兆2018億円。→共同通信社などの報道
2019年度予算案は一般会計の総額が101・5兆円と当初予算として初めて100兆円の大台を突破した。医療や介護、年金などの社会保障費が増えているのに加え、今年10月に予定する消費税増税後の景気落ち込みに備え2兆円の経済対策を盛り込んだのが要因だ。これに対し、歳入の柱である税収は62・5兆円。政府保有株の売却などでかき集めた税外収入(6・3兆円)と合わせても必要経費を賄えず、新たに32・7兆円の国債を発行せざるを得なかった。歳入全体に占める新規国債の割合(国債依存度)は32・2%だ。
国の借金に当たる国債残高が2019年度末に897兆円に達する見通しだ。毎年の予算編成で必要経費を税収だけで賄えず、不足分を新たな国債の発行で補う「借金漬け」の財政運営が常態化しているためだ。→毎日新聞などの報道
下記グラフで見られるように、歳出は増加しているが、税収の伸びはそれに見合っていなし。借金が増えているのだ。
この債務残高のGDPとの比較を見ると、日本の比率が高いのがよくわかる。
債務=借金である。国の支出合計101.5兆円に対して、税収など62.5兆円+税収外収入6.3兆円+国債(借金)32.7兆円=101.5兆円だ。
この借金の多さに対して、「国はいくら借金しても大丈夫?」など いろいろ議論がある。その一例が、「自国の通貨で借金をできる国は破綻することがない」という、驚くべき理論=その名も「MMT=現代貨幣理論」です。
主流の経済学では、国の支出が増え、借金が膨らむと、その国の信用は低下して、借金を続けるには高い金利を支払わなければなりません。返済する負担はしだいに重くなり、いずれ国家の財政は破綻してしまいます。
しかし、MMTによると、急激な金利の上昇が起きないかぎり、自国の通貨で借金ができる国は、お金を刷りさえすれば、それを借金の返済にあてることができるため、破綻はしないといいます。その分、例えば公共投資にお金を投じ、雇用を生むことに使うべきだというのです。
このMMTの根拠として、モデルになっているのが、ほかならぬ「日本」です。
国と地方の借金は1,300兆円近くに上り、国の経済規模を示すGDPの2倍以上にまで膨らんでいます。それでも日本の財政は破綻していないじゃないかと!!
「日本は、主流派経済学者の予測を覆す“好例”といえる。先進国の中でも、GDPに比べた借金の割合が最も高いが、インフレは起きず、返済不能にもなっていない。国の借金がGDP比100%だろうが、200%だろうが怖くない。」
麻生副総理・財務相と日銀 黒田総裁は同調はしていないが、その根拠は???。→NHKの報道
麻生副総理・財務相の大丈夫論→こちらなどの報道
「政府の借金」と「家計の借金」は同じではない→東洋経済などの報道
一方、日銀が緩和策を強化し、紙幣の流通をさらに増やすとインフレが加速する恐れがある。賃金が上昇すれば、勤労者はある程度吸収できる。しかし年金生活者は、この先の給付減・負担増がほぼ確実で、物価上昇はダブルパンチになる。消費の大きな割合を占める高齢者層が生活を守るためにさらに節約すれば、国全体では景気悪化の方向に向かう。→こちらの報道
今後の高齢者層の生活は守れるだろうか?