ウィリアムのいたずらの、まちあるき、たべあるき

ウィリアムのいたずらが、街歩き、食べ物、音楽等の個人的見解を主に書くブログです(たま~にコンピューター関係も)

グレタさん(=マルサスの罠の輸送版)は何が間違いで小泉大臣に「未来はない」と切り捨てられたのか?

2020-01-02 08:35:23 | そのほか
年末に、ある中小企業の社長(電気関係の仕事を今やっているが、昔は環境してた)と会った再現メモメモの続き。

【ここまでの話で押さえておきたいこと】

温暖化対策には、2種類ある

「リサイクル型環境問題」:日本のアカデミックなんかが推進しようとしている、CO2から石油、O2を作って循環させる
「グレタ式 環境マウンテン・気候正義型環境問題」:グレタさんを旗印に、ヨーロッパ、国連(ぐてーれすさんはポルトガル)、日本のマスコミ、プロ市民が推進しようとしている、「環境を金儲けに使っている。いまこそCO2を減らすべきだ、そうしないと、世界は大変なことになる」という考え方

環境ビジネスの進め方には、上記の2種類がある。

【つけたし】

アメリカ、ロシア、中国は「グレタ式 環境マウンテン・気候正義型環境問題」を支持していない?(そりゃそうだ、アメリアにはアラスカ、ロシアにはシベリア、中国にはチベット等、温暖化により、耕地が増える。特にロシアにとって温暖化は、北極海が使える、経済的・軍事的な千載一遇のチャンス!)

日本の環境省(=小泉さん)は
グレタさんに「大人の糾弾に終わっては未来ない」 小泉氏発言に渦巻く賛否
https://mainichi.jp/articles/20191228/k00/00m/040/052000c

ということで、グレタさんの考えを否定しているが、この理由がはっきりしない(つまり、未来はなぜないのかがはっきりしない。これは環境省の人にはわかっているはず。「マルサスの罠」という。大学の経済学部で習うんじゃないかな)
 たぶん、トランプさんなどには、わかっていないけど、直感的におかしいことは感じていて、反論している。

【ここでの議論】

グレタさんの意見がなにが間違えているかを2点示す。
その後、日本の「リサイクル型環境問題」がそれらを克服した解決策であることを示す。
(「リサイクル型環境問題」の具体的内容は次のエントリとなる)




(診断士)

まず、グレタさんの考え方が何が間違えているのかについて説明しよう。2点ある。

1点目:グレタさんは、CO2の量を削減しろと言っている。これが違う。
CO2の量を削減するには、人を殺すしかないが、人を殺すと削減の可能性を失うというジレンマにあう。ここを説明する。

CO2を減らすには、主原因を絶たなければならない。主原因は人口増加。
人間が増えると以下の2つが増加する
1つは食料。これが増えないと人口が増えない。
もう一つはコミュニケーション。そしてコミュニケーションを成就させる手段として、まあ電話、インターネットもあるけど、「輸送」もある。ここではわかりやすく輸送をとりあげようか。「CO2抑制のために、飛行機でなく船を使うべき」というあれだ。

ここでもポイントは、輸送におけるCO2削減技術は、そんなに格段に進まないということだ。飛行機から船にすることはできるが、その燃料効率を、ムーアの法則並みに早めることができない。つまり、せいぜい比例的(等差級数的)にしか増やせない。

その一方で、輸送機械は指数的(等比級数的)に増える。具体例だとわかりやすい。
いま、AさんとBさんがいる。2人は電車を使わないと会えないとすると、輸送はAB間が必要。
そこにCさん、Dさんが加わったとする。そうすると、ABにくわえm、AC、AD,BC,BD、CD間が必要・・・
・・・だけでなく、たとえば、BCDが一同に会すなんてこともあるから・・・
純烈じゃなかった(それは紅白)順列・組み合わせ的に輸送手段を利用する機会は増える。

ここまでをまとめよう。
CO2の排出は等比級数的に増えるが、その技術革新は等差級数的にしか増えないので、いつかは破綻する。

あれ、これ学校で習いませんでした?そう、マルサスの人口論

食料は、等差級数的にしか増えないが、人口は等比級数的に増えるので、いつかは破綻する。

あ~つまり、輸送手段を説明してきたけど、もう一方の食料も同じロジックってことね。

なんで、ここまでをまとめると、人口が増えれば、CO2削減努力はそれに追いつかない

ってことよ。で、この意見、今、間違えていることが知られているよね。「マルサスの罠」っていう。
マルサスは上記のことを農業で考えていた。しかし、工業化が進むにつれて、「人口増加に追いつくほどの技術革新がなされ、人口増加と食料供給が均衡すれば、そこまで人口は伸ばせられる」って考えているよね・・・

・・・わかった?つまりですね、CO2を削減しようと努力してもおっつかないわけですよ。

   CO2発生に追いつくだけ、CO2をリサイクルして、CO2の量を均衡にしないといけないわけ。

逆に、均衡状態になれば、CO2濃度が1.5倍になろうが2倍になろうが問題ない(いつでも倍率を変えて、再均衡をつくれれば)。

 実際に、自然界はどうなっているかというと、たしかにCO2濃度があがって、海水面が上がっている。しかし同時に、CO2が増えるということは植物にとってはプラス(光合成でCO2使うし)なわけで、さらに温暖になることも植物にプラス。ただ、急に温暖になっても(シベリアやチベット、アラスカに人間が住んでいないことからわかるけど)そこに人はいないから、植物がよくはえ、耕地が増えたことに気づかない。一方海に沈む陸地は(ツバルのように)人が住んでいるから気づく。なので、自然がバランスを取ろうとしていることに人々は気づかず、マイナスのほうにだけ気づいて、「地球は壊れている」と言い出すわけ。山火事もそう。枯れ木&過密のところを山火事で燃やしてたい肥を作り、新しい植物をそこに生やして、あらたな森林をつくろうとしているわけ。つまり、自然界は新たな均衡を保とうとしている。

 もう一点の間違いは、今の大人を切り捨てたこと。
 もし、環境にとって悪いことをしてきたというのであれば、今の大人の人たちの時代、平均年齢は上がらないはず。しかし、現実問題は、医療の進歩で上がっている。ということは、今の大人たちが悪いのではない。
 でも、ここ数年、平均年齢は劇的には上がっていないし、環境の問題も出てきている・・・ということは、大人の視点に何かが欠けているということ。だから今の人は、大人を切り捨てるのではなく、大人の資産を受け継いで、そこの盲点を探すほうが早い。でないと、「大人のやってきたことの車輪の再発見」を若い人がやって、人生を無駄にする・・・だけでなく、絶滅する。

 具体的に言えば、大人を否定して、グレタさんのように、ビーガンになって、船で移動しても、今の大人が達成したような環境目標、お話にならないほど低い環境目標にしかならないということよ。今のCO2削減を技術革新をもって行うという視点から脱却できないなら。今の大人はこの視点から脱却できないから、どの国も、環境の目標を上げられないんでしょう。論理的に説明できないもんねえ、CO2削減ができる理由を。

 なので、今の人たちが大人を否定しても、車輪の再発見して終わりで、もう、温暖化を止められず、人類絶滅しかないのよ。ね、小泉さんの言うようにこの意見には「未来がない」でしょ。

 じゃあ、どうすればいいのか・・・は簡単で、今の視点から見落としているものにスポットを当てて、そこから再構築すればいい。今の視点の見落としは何か。。。それは「人間は努力すれば何でもできる」っていう考え方。それと、マウンテンの結果「人類が生物で一番偉い」と思っている大きな勘違い。

 この間違いは例を使えば、すぐに指摘できる。例えば結核。人類の技術ではなく、「カビ」の力を借りてペニシリンを作り克服した。人間の中には腸内細菌をはじめたくさんの細菌と共生していて、それらの助けがなければ生きていくことができない。なのに、「人類が一番偉い」ですと・・・細菌なしではなにもできないのに・・・その驕り、片腹痛いわ!

(秘書)あ、たしかに「おごり」なんですけど、おなか痛いのは、「おごり」だからって、食べ過ぎなのでは?
(※中華料理食べながら話している。で、その勘定は社長が払ってくれる)

(診断士)違っ!

Anyway、結論をいうと、2点を合わせればいい。

CO2を取り込んで石油を作るような微生物を発見して、っていうか発見されているのでそれを使って、石油を作る
輸送機関はその石油を使ってCIO2を排出するとか
CO2を取り込んでO2をつくり(って、要するに光合成だ)、そのO2を使ってCO2を排出するとか
微生物(細菌)や植物を中心としたリサイクルを行えばいい。

このうち、微生物によるリサイクルという視点がいままでなかったもので、日本が得意としている分野、世界に提案できる分野なわけ。水処理では成功しているよね(下水処理で活躍している微生物

(社長)でも、その程度のこと、ヨーロッパの官僚でもわかりそうなことだけど。

(診断士)わかってると思う。官僚は。政治家は微妙。ただ、ヨーロッパとしては、自然再生エネルギーが安く手に入る。そこで、そちらを推進し、石炭火力を社会的にいじめて孤立化させたほうが、自分たちが有利に働く。そこで自分たちはCO2リサイクルより、CO2削減、自然エネルギーの利用を唱えるんだと思う。

 具体的な政治戦略に落とし込むとすると、自分なら例えば「自然エネルギーを使わない国には、国際的に関税をかけて、自然エネルギーを使うように誘導すべき」として、石油・石炭エネルギーを使う国に対して、強制的に高い関税をかけ、その関税をアフリカなど開発途上国の自然エネルギー促進に使うというスキームを作り、日本の工業を壊滅させ、ヨーロッパに繁栄をもたらす・・・って筋書きでも作るかな。

 一般の人を納得させるのは、「CO2から石油をつくるなんていうのはエセ科学」と言い切ってしまえばOKだし。。
 光合成に対しては、「でも植物はよる呼吸をするよね」で、議論を収束させられる。なので、未来の芽を摘むことは簡単にできる。事実、CO2リサイクルには、もう一つ大きなブレークスルーが必要かも?

(秘書)でも、自然エネルギーの利用のストーリーはすぐに終わりますよね。だって、自然エネルギーって、蓄電できなければ、無限に取り出せるわけではない。需要が増えれば、蓄電技術が進まない限り、行き詰る

(診断士)exactly!蓄電技術はノーベル賞を今年とってるけど、それこそ技術進歩が遅い。さらにヨーロッパの天候を考えると・・・

(社長)そうそう、イギリスとかさ、(ここでイギリス話が入ったので中略、結論だけ言うと、曇りが多いから、太陽光発電には向かないよね!)

(診断士)一方、微生物を考えると、微生物は等比級数的に増えるので、どこかで均衡点が生まれる可能性があるわけ。




次回は、微生物ビジネス、微生物工学の話。具体的に、CO2を食べて石油を作る細菌や(ただ、石油合成はあやしいけど)とか、プラスチックを食べるバクテリアとかの話。
 グレタさん話で、「金儲け」について、今回触れなかったけど、もし次回、触れるチャンスがあったら触れようと思う。シュンペーターのMark1、Mark2に関係する話で、ヨーロッパとアメリカの違いなんかも出てくるかな・・・

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする