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森林は成熟するとCO2削減に寄与しない。CO2+自然エネルギー+α→有機物(燃料)→火力の輪が大事

2020-01-04 08:01:58 | そのほか
年末に、ある中小企業の社長(電気関係の仕事を今やっているが、昔は環境してた)と会った再現メモメモの続き。

今回は微生物ビジネス、微生物工学の話。だけど、その前に、グレタさんの考えが一般的だけど間違っていて、リサイクル型というのは、それとはまったく違った考え方をするというのを示し、その中で微生物工学の話をしていきます。




(診断士)

【はじめに:森林は成熟するとCO2削減に寄与しない】

 微生物工学と環境の話をする前に、グレタさん式の考え方の間違いを示すため、「森林開発でCO2削減」を例に取り上げてみる。

 グレタさんの考えだと、「CO2を削減」すればいい。そして、一般の考えだと、「CO2を削減するには、森林を増やせばいい、光合成でCO2が減るから」という発想になる。でもこれは間違い。森林は成熟すると、CO2を削減しない。

森林はCO2を吸収しない。え~それじゃ木を植えてもCO2の削減にならないの?
https://blog.goo.ne.jp/yuki-enerugi/e/e614705d9829a95ab183b2ef090253de

 成長期は確かにCO2を削減する(成長するためにはCO2から有機物を作らないといけないから)けど、成熟してしまうと、「光合成をもとに木や葉をつくり→それが枯れると微生物が呼吸して分解」する。この過程でCO2を排出する。この光合成と微生物の呼吸が釣り合うというか、森林全体の光合成と呼吸、生成と分解が釣り合うところまで、微生物は増えるから、結局、成熟した森林では、CO2は一定量になり、減らない。だから、「CO2を減らす」ために森林を植えるという発想は、成立しない。

 そうではなくって、森林リサイクルの中に入ることを考える。成熟した森林の均衡サイクル、つまりCO2を吸収し排出するサイクルの中に人間が入るということ。具体的に言うと、木や葉が腐る前に、間伐材を切り出し木材やエネルギー(薪、木炭)として使う。微生物の分を横取りして人間が使う。こうすると、森林は、人間の使用分を差し引いた残りで均衡し、成熟した森林になる。もちろん、人間が使ったエネルギーも、森林よりももっと大きな単位で均衡させないといけないんだけど・・

 こういうように、森林をただ植えるのではなく、人間が森林を利用して得るエネルギーやCO2排出量も考慮して、リサイクルの輪をまわすようにすればよい。ということは、森林を管理しろって言ってる?となるけど、その通り・・・というか、そもそも、森林は管理しないと、CO2削減量に組み入れてもらえない。

(林野庁のページ)Q11 吸収源対策として森林整備がなぜ重要なのですか
https://www.rinya.maff.go.jp/j/sin_riyou/ondanka/con_5.html#Q11 吸収源対策として森林整備がなぜ重要なのですか

なので、森林環境税を使って、森林を整備するという話になる。

 ただ、薪を今利用するのは、一部の銭湯ぐらいだろうから、なんらかの誘導策、例えば薪の代金を補助して銭湯に薪をもっと使ってもらう、介護施設は銭湯の営業時間外で場所借りて入浴してもらって、銭湯の経営を安定化させるなどの薪利用キャンペーンとかは、必要かもしれない。

 いずれにせよ、森林リサイクルの輪の中に入って考える必要があるわけで、ただ「減らせ」と言っても減るものではない。

 で、この過程では微生物は出てきても、微生物工学・微生物ビジネスは出てこない。まあ、出てくるとしたら、森林を作るのは時間がかかるので、代わりにミドリムシ(ユーグレナ)を使うという場合。ただし、この場合もユーグレナがCO2を削減するという発想ではなく、ユーグレナを中心としてリサイクルの輪をつくり、その中に人間が入って、食料・エネルギーを得るというようにしないといけない。




【(CO2を吸収して)石油を生成する微生物話】

 一方、CO2を吸収して石油を精製するというのは、まさに微生物工学・微生物ビジネス話。
 CO2を吸収して石油を生み出す細菌は、いるみたい。

  CO2から石油を合成する細菌
  https://www.brh.co.jp/publication/journal/007/st_2.html

 さらに、石油ではないんだけど、CO2を食べて燃料を出す細菌もいる

  世界初、CO2を食べて育つ水素細菌「UCDI菌」によるバイオジェット燃料生産の特許を取得
  http://www.news2u.net/releases/164920

 ただ、じゃあ、こういう細菌があるから、大丈夫なんですねというと、そうとも言えない。一つはコスト面の問題。
 たとえば、石油を精製する藻というのがあったけど、結局コストが削減できず、実用化に至っていない。

  オーランチオキトリウム
  https://ja.wikipedia.org/wiki/オーランチオキトリウム

 これ以外でも、コスト安にすることは、難しいみたい。

  IHIが実用化を狙う「藻類ジェット燃料」 商業化への大きな期待と高いハードル
  https://toyokeizai.net/articles/-/34915


 つまり、微生物工学の利用、微生物ビジネスは、コスト削減のための大量生産というブレイクスルーが必要。
 このブレイクスルーに成功したのがユーグレナ(ミドリムシ)であって、石油関連の細菌は、そこのブレイクスルーがこれから必要。なので、まだ投資が必要ということ。




【CO2から石油を精製する】

CO2から細菌を経ないで石油精製という話もある。

 【山中教授だけじゃない!】石油を水から作り出す!?革命的研究発表をした京大名誉教授・今中教授に独占インタビュー!
 https://sensekyoto.com/2016/01/09/imanaka-kyoto-university/

ただ、この手のはなしを「石油代削減」という話題に絡めてしまうのは悪手で、これだとエセ科学っぽくなる。
というか、そういう非難ができる。エネルギー保存則に反するように聞こえるから。

 たぶん、CO2から微生物(この場合は緩やかな化学変化)、あるいはエネルギー(一般的な化学変化)を使って、石油のような有機物、燃料が作れるという話にもっていけば、これはみんなも納得できる良手となる。そのエネルギーのところに、太陽光発電、とか地熱とか持っていけば、自然エネルギーなので無料で利用できる+自然エネルギーのように気候に左右されるという問題が、有機物(燃料)として備蓄することにより解決する(つまり、電気の世界でいう電池のようなもんだね)というわかりやすい理論&問題解決につながる。

 事実、CO2から有機物は作れるみたい

 世界初、CO2を食べて育つUCDI水素菌により、脱石油100%の「CO2ポリエチレン」生産が実現へ
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000045163.html

 よくこの手の問題を話すとき、「じゃ、水素どうするんだよ」ってなるけど、水素は水素生成菌なのかなあ~、いや水(H20)やアンモニア(NH3)から水素が作れる細菌なり、(自然エネルギーでうまくいく)方法論があれば、いいんだけどね。




【プラスチックを分解する細菌】

 
環境問題というと、プラスチックもあるけど、プラスチックも分解する細菌(サカイエンシス)があるみたい。

 日本の研究者がプラスチックを食べるバクテリアを発見
 http://trivialnews.net/plastic-eat-bacteria/

 PETを分解する細菌の発見
 http://first.lifesciencedb.jp/archives/12242

ペターゼという酵素で分解するらしい。それよりも強力なものを作ったという話もある

 プラスチックを分解するバクテリアが発見され研究が急ピッチで進む!救世主となるか?
 https://waraukurumi.com/bacteria-petase-eats-plastic-pet-pef/


(社長)それと、生分解性プラスチックの話もある。知り合いの話なんだけど(以下、ないしょの話)


(診断士)ただ生分解プラスチックは、分解はするんだけど、分解して、どうなる・・・っていう話もある。

  生分解性プラスチックによるプラスチック汚染の問題点とは? 解決法は?
  https://ultimatelyhealthylife.com/express-article/problems-of-plastic-contamination-by-biodegradable-plastics/

 つまり、分解したっていうだけではだめで、プラスチックによるリサイクルの輪を作らないといけない。
 この輪とCO2の輪が関係するのか、関係しないのか・・・わからんけど・・




【まとめ:CO2+自然エネルギー+α→有機物(燃料)→火力の輪が大事】

つまり、CO2を削減するというだけでは、結局形を変えて、CO2を排出してしまうのでだめというか、そもそも、炭素の量は一定で均衡しているはず。この問題は、今

  有機物(燃料)→火力→CO2

というように、有機物をもやしてエネルギーを得ていることが問題。これだと、有機物がなくなってしまったら、エネルギーが取り出せなくなる。かといって、

  自然エネルギー

から、エネルギーを取り出そうとすると、自然相手なので、人間の都合の良いようにはエネルギーを取り出せない。
太陽光発電のできない夜にこそ、電灯が必要なのだ。

 ということで、自然エネルギーから有機物(燃料)をつくって、それをバッファにする。燃料=電気の世界の電池というわけ。燃料の形にすれば、好きな時に取り出せる。ここまでまとめると、

  自然エネルギー→有機物(燃料)→火力→CO2

でも、これだと、CO2が増えて・・・温暖化というより、そもそも、炭素が足らなくなるので、いつかは破綻する。
そこでCO2から有機物を作るようにして、炭素を循環させる・・・けど、CO2から有機物には単純にならないので、
そこに無尽蔵にある自然エネルギーを加えるという感じ

  CO2+自然エネルギー(=エネルギー注入)+α→有機物(燃料)→火力(=エネルギー取り出し)→CO2

   ※つまり、自然エネルギーと同量のエネルギーを消費すれば、ゼロエミッションは成立する。

 この+αが水だったり、水素だったり、アンモニアだったり・・・つまり、これだと、有機物を作る水素が足りないので、何かが必要。そして、CO2と自然エネルギーから有機物を作る反応を穏やかに、コストを少なく行うのに植物(の光合成)や微生物が必要ということ。プラスチックも同じ話なのか(プラスチックループがあるのか)、このループとの関係は…というのは、さらに先の話。ただ、プラスチックはこの話とは別に立ち上がってくると思う。今の微生物を使ってプラント化するとか‥

 このコンセプトに気づき始めれば、微生物工学・微生物ビジネスが本格的に立ち上がる。小泉大臣はそれに気づき始める可能性はある。ほかの政治家よりも。
 
(秘書)微生物による分解という話だと、CO2のほかに、放射能もありますよね。フクイチがらみで。

(診断士)ある!




ということで、次回はフクイチの微生物工学話。

※ちなみに、今回はセミナーみたいな一方的な話になっているけど、実際には会話していて、会話中の余計なところをとったり、URLを入れたり、表現を色々変えたりしている。
※シュンペーターMark1,Mark2の話は、今回長くなりすぎたので、この話とは別に書く。

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