日経ソリューションビジネス 2008年9月15日号11ページ
ITベンダー社員の5割超が進行基準を知らず
管理コストの増大や社内調整に不安の声も
によると(以下斜体は上記サイトより引用)
SIerやメーカーなどのITベンダ0に勤務する社員の52.6%が、「工事進行基準」を知らない-。本誌が8月18日から20日の間、ユーザー企業やITベンダーに勤務する約2000人を対象にインターネット調査を実施したところ、衝撃的な事実がわかった。
やばくないっすかあ??
念のために説明すると、工事進行基準というのは、工事完成基準と対になる概念で、現在、建設業などの決算で使われる手法。
建設業の場合、建物の完成までに時間がかかる。そこで、建物を出来上がって収めたときに売り上げがたつ(これが工事完成基準)だと、費用と売り上げの対応がとれない。ずーっとマイナス(立てるための費用がかかるので)のあと、完成した期にぼーんと売り上げがたち、そーすると、それに対して今期の経費を引くと、すんげー利益がたち、そこから税金をとったら・・・(>_<!)
そこで、工事の進捗状況に合わせて、売り上げを立てる。そうすると、経費とのバランスもとれ、異常な利益にならなくなる。これが、工事完成基準。
これを建物だけでなく、
2009年4月以降に始まる事業年度から、受託ソフトウエア開発でITベンダーは原則として、工事進行基準を適用しなければならない。
っていうことで、全部、進行基準になる(つまり、納品して、検収終了で、売り上げ計上って言うわけじゃない)。
これだけなら、単なる経理の話だが、それでとどまらない。
大企業は、内部統制が始まるということは、散々書いてきた。
売り上げは、統制対象だ。
っていうことは、売上(=勘定科目)に工事進行基準が採用されるので、これは、統制対象になる。
進行基準の売り上げ金額の配賦は、進行状況、スケジュールになる。
つまりですねえ、プロジェクト管理を厳格にして、プロジェクトの進捗が、統制・監査(監視?)の対象に形式的に(実質的にも?)なるわけで、そーなってくると、プロジェクトの進捗をまじめにやって、見積もり根拠も明確にしないといけなくなってくる。
もちろん、見積もり=相手が払ってくれそうなお金。できるかどうかは、仕事請けてから考えるので、進捗テキトーになることもあるよ!なんてゆーのは、許されないかも・・・
っていうことで、プロジェクトマネージャーには、いろいろと大変そうな話なんだけど・・・
工事進行基準を知らないと回答した「プロジェクトマネージャー」も42.3%に達した。
うーん、だいじょうぶなのかあ?