<あいち九条の会広報委員会>
憲法公布69周年を迎えた昨年11月3日、あいち九条の会主催の「憲法九条を守ろう愛知県民のつどい」が名古屋市公会堂で行われ、1500名が参加しました。
集会の冒頭、憲法違反の安保関連法案を強行採決した安倍政権への抗議を込めて、参加者全員が「安倍政治を許さない」「九条を守ろう」のプラカードを一斉に掲げるパフォーマンスが行われ、会場の熱気は一気に高まりました。
最初に主催者を代表して代表世話人の内河惠一弁護士が開会のあいさつに立ち、「戦争法が強行されたが日本国憲法が最高法規であることに変わりはない」「これからも戦争法の行使を許さず、廃止の声を上げ続けよう」と呼びかけました。
第一部では「沖縄の心をうたと踊りにのせて」と題して、与那国島出身で名古屋市在住の浜盛重則さんと沖縄を中心にシンガーソングライターとして活躍する海勢頭豊さんがステージに登場しました。浜盛さんは三線を手に歌とエイサーの踊りで会場を盛り上げ、海勢頭豊さんは沖縄戦の歴史や緊迫する辺野古新基地建設など戦争と向き合う沖縄の現実を歌と語りで訴え、聴衆に深い感銘を与えました。
第二部では東京新聞論説委委員兼編集委員の半田滋さんが「戦争法を廃止に~自衛隊を軍隊にさせない闘い」と題して講演されました。
半田氏は最初に「参考人として呼ばれた3人の憲法学者全員が『違憲』と答え、あんな形で採決された法律によって海外派兵される自衛隊員は不本意に違いない」とし、「米国の戦争に世界的規模で巻き込まれるおそれが高まった」と戦争法の成立を批判しました。また、戦争法成立の背景として、昨年4月の安部首相の訪米は、2013年の初訪米時に韓国や中国の首脳とは対照的にまともな会談や晩餐会も実現できなかったことのトラウマから首相の「評価をリセット」させたい一心で日米ガイドラインの改定やTPP合意への決断を手土産に歓待を受けたこと、その約束を忠実に実行するための法制であったと述べ、その結果は首相の持論である「戦後レジームからの脱却」どころか「戦後レジームの固定化」となってしまったと指摘しました。
他方、安部政権の復活以降、それまで11年間連続して減少してきた防衛費が3年連続で増加を続け、戦争法の成立でさらに拡大の一途をたどることは確実、中国など周辺諸国が日本への警戒感からさらに軍備を拡大させ、「東アジアで日本を起点とする軍拡競争がはじまる」と指摘しました。
その上で、私たちは何をすべきかという点について、7月の参院選で野党が結束して与党を過半数割れに追い込み戦争法を発動させないこと、さらに「集団的自衛権容認の閣議決定や武器輸出にストップをかけるには衆議院でも勝つことが重要」とし、そのためにも「自民党政権を交代させる長期的な構想を持つことが大切」と訴えました。
講演終了後、若い世代からの発言として3名の若者が登壇し、「デモに行って、選挙に行って、平和憲法をまもりましょう」と訴えました。
最後に代表世話人の本秀紀名古屋大学大学院教授が閉会あいさつに立ちました。
本さんは、憲法解釈を勝手に変えた安倍首相の手口について「『公共の福祉に反しない限り』の条文をねじ曲げて治安維持法のような法律を復活させかねない」と懸念を表明しました。同時に戦争法廃止の運動での若者の活躍を「自分の言葉で語っている」と評価した上で「今までの生活が出来なってしまうとの危機感がある」「日本社会の危機の深刻さを表すものであり、本当の民主主義が育ちつつある」として、「ようやく芽生えた民主主義を大きく育て、来年の参院選をたたかいましょう」と締めくくりました。