岩倉9条の会は昨年10月に「憲法を読む会」をスタートさせました。
憲法「前文」を読むことからはじめて、その内容を確認し、みんなで話し合う運動を行なっています。3月10日(日)に第3回の「憲法を読む会」が行われました。
この日は「天皇」の条項についての確認と自民党の改憲案が天皇の条項をどのように変更しようとしているか、その内容と狙いについて話し合いました。
この回の結果が会報の「のぼり鯉」に掲載されていましたので紹介します。皆さんの九条の会での討論の参考にしてください。
「第1章天皇」の中心は“国民主権”
はじめに関戸祐一さん(編集者註:岩倉9条の会呼びかけ人の一人)が以下のように問題提起しました。
現行憲法の「天皇」の中心は第一条です。「第一条 天皇は日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権を持つ日本国民の総意に基づく」、明治憲法の下の天皇は「神聖不可侵」で、その地位は永遠でした。
天皇は日本国の元首として君臨し、陸海軍を統帥する大元帥でした。「国体」にそむく者には極刑を含む刑罰・弾圧が加えられました。この天皇の絶対的な権力と軍部が結びついて、「15年戦争」とも呼ばれるアジア・太平洋戦争を引き起こしました。
これに対して現行憲法は「政府の行為によって再び戦争の惨禍を起こさない」ことを決意し、「主権が国民にある」ことを宣言しました。
天皇は日本国及び国民統合の象徴で、国政に関わる権能はない。その地位は「改廃」を含めて国民の総意によって決まる。この「国民主権」こそが冒頭第一条の中心であることが強調されました。
恐ろしい自民党改憲案
この原則に照らして自民党改憲案を読み、話し合いました。
前文は、①日本は長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴く国家である、で始まり、②国民はよき伝統と国家を末永く継承するために、この憲法を制定する、と結んでいます。
さらに第1章天皇条項では、①「天皇は日本国の元首」である(1条)、②皇位は世襲で、継承にともない新たな元号を制定する(2条及び4条)、③日の丸、君が代を国旗、国歌として尊重しなければならない(3条)、など目を疑うような条文が並んでいます。
すでに東京、大阪では卒業式で国歌を口を開けて歌わない教員を摘発し、処分しています。
やがて建国記念日や天皇誕生日を中心に、祝祭日には各戸に国旗を掲げるよう強制され、住民による相互監視、摘発の動きに進まないか。愛国心教育、国防軍創設との結びつきが憂慮されるなどの意見が出されました。
なお、岩倉9条の会では、5月12日に第4回「憲法を読む会」を行い、憲法96条と9条について話し合うことにしています。
憲法「前文」を読むことからはじめて、その内容を確認し、みんなで話し合う運動を行なっています。3月10日(日)に第3回の「憲法を読む会」が行われました。
この日は「天皇」の条項についての確認と自民党の改憲案が天皇の条項をどのように変更しようとしているか、その内容と狙いについて話し合いました。
この回の結果が会報の「のぼり鯉」に掲載されていましたので紹介します。皆さんの九条の会での討論の参考にしてください。
「第1章天皇」の中心は“国民主権”
はじめに関戸祐一さん(編集者註:岩倉9条の会呼びかけ人の一人)が以下のように問題提起しました。
現行憲法の「天皇」の中心は第一条です。「第一条 天皇は日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権を持つ日本国民の総意に基づく」、明治憲法の下の天皇は「神聖不可侵」で、その地位は永遠でした。
天皇は日本国の元首として君臨し、陸海軍を統帥する大元帥でした。「国体」にそむく者には極刑を含む刑罰・弾圧が加えられました。この天皇の絶対的な権力と軍部が結びついて、「15年戦争」とも呼ばれるアジア・太平洋戦争を引き起こしました。
これに対して現行憲法は「政府の行為によって再び戦争の惨禍を起こさない」ことを決意し、「主権が国民にある」ことを宣言しました。
天皇は日本国及び国民統合の象徴で、国政に関わる権能はない。その地位は「改廃」を含めて国民の総意によって決まる。この「国民主権」こそが冒頭第一条の中心であることが強調されました。
恐ろしい自民党改憲案
この原則に照らして自民党改憲案を読み、話し合いました。
前文は、①日本は長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴く国家である、で始まり、②国民はよき伝統と国家を末永く継承するために、この憲法を制定する、と結んでいます。
さらに第1章天皇条項では、①「天皇は日本国の元首」である(1条)、②皇位は世襲で、継承にともない新たな元号を制定する(2条及び4条)、③日の丸、君が代を国旗、国歌として尊重しなければならない(3条)、など目を疑うような条文が並んでいます。
すでに東京、大阪では卒業式で国歌を口を開けて歌わない教員を摘発し、処分しています。
やがて建国記念日や天皇誕生日を中心に、祝祭日には各戸に国旗を掲げるよう強制され、住民による相互監視、摘発の動きに進まないか。愛国心教育、国防軍創設との結びつきが憂慮されるなどの意見が出されました。
なお、岩倉9条の会では、5月12日に第4回「憲法を読む会」を行い、憲法96条と9条について話し合うことにしています。