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憲法9条を守る一宮市民の会が総会と森英樹さんの記念講演を開催

2017年12月05日 | Weblog
 11月26日(日)、憲法9条を守る一宮市民の会の第14回総会と森英樹名大名誉教授の記念講演が一宮市民会館大会議室で行われました(以下、同会事務局長の柴田さんからの報告です)。

 森先生の講演の演題は、「どうなる、どうする憲法9条―10・22総選挙後の焦点を考える」でした。
 まずはじめに、10・22総選挙を憲法から点検すると、9月28日の国会解散は違憲の疑いが濃い、また、戦後2番目の低投票率の問題、総選挙の結果を冷静に見れば与党は「圧勝」ではなく、減らしていること。それは小選挙区効果によること。メディアは「三極対立」と煽ったが、憲法9条を変えるかどうかから見れば、「二極対立」であった。
 次に、第195特別国会での憲法審査会が再開されたが、審査は進んでいないこと。安倍首相が憲法改正を言っても、国会での憲法審査会での審議が進まなければ、発議ができないこと。その次に、安倍首相が進める憲法改正策動に対して9条の会が果たした役割を丁寧に説明され、確信を持ってこれからの運動を進め、3000万署名を集め切って、国会で発議させない状況をつくって行きましょうと話されました。



 その後、憲法9条を守る一宮市民の会の総会が行われました。
 この1年間の取り組み、4月の映画「不思議なクニの憲法」の上映会、7月の「第9回市民平和百花展」、毎月第2土曜日の一宮駅前の宣伝署名活動、2ヶ月に1回の会報を継続的に発行してきたこと、浅野、浅井、千秋、萩原、尾西の9条の会の活動の紹介など、が報告されました。
 「安倍改憲NO!一宮市民アクション」と一緒になって3000万署名の取り組みを進めることを進めていくことを全員一致で確認しました。

憲法九条を守ろう 2017 愛知県民のつどいが開催されました(講演レポート)

2017年12月05日 | Weblog
 憲法公布71周年の翌日11月4日、あいち九条の会主催の「県民の集い」が刈谷市民総合文化センターで行われました。参加者は1100人。ジャーナリスト、九条の会世話人の伊藤千尋さんの講演につづき、グローバルヒース合唱団の100人の大合唱が平和への願いを歌い、「憲法をめぐる情勢と9条の会について」あいち九条の会代表世話人、名大名誉教授の森英樹さんの報告が行われました。





 「憲法9条を守る一宮市民の会」の会報(No.73)に伊藤千尋さんの講演「市民の力が時代を拓く~今こそ立ち上がるとき」の要約が掲載されていましたので、同会のご了解を得て以下に転載させていただきます。



 <与党圧勝の報道は間違いです>

 私はキューバにいて今度の選挙の結果を知りました。マスコミは「自民圧勝」と報じたようですが、選挙はこれまでの流れで見るものです。自民党の議席はほぼ同じでも公明党の議席は減っています。だから与常はマイナスです。プラスは立憲民主党のみです。野党共闘は3党を合わせると増しているのです。与党大勝と報道した日本のメディアは認知症です。
自民党の改憲案は憲法9条に第3項を加える自民党の改憲案が登場していますが、実は自民党は2012年に先の改憲案を出しているのです。それが、国民に支持されないと見たのでしょうか、今度は9条に但し書きで加える案です。第3項を設けて自衛隊を認知しようとするのです。自衛隊は「武力」としては認知されていませんが、これを憲法で公認したら、高校へ制服の自衛隊員がリクルートで出入りしたり、町中に制服姿が見えることになるのではと思います。国民は萎縮しますよ。警官だって気になるでしょう。そして、防衛予算は増えることでしょう。アメリカの圧力もあって2倍、3倍になるかも。もちろん福祉の予算が減りますね。これが9条の3項への加憲です。ですから、日本の憲法9条は本当に大切なのです。

<世界に広がる憲法9条>

 9条はいま世界に広がっています。アフリカ大陸の南側のカナリア諸島(スペイン領)に行きますと、デルタ市に憲法9条の碑があります。白いタイルに青い文字。市民が平和を考える「広島・長崎広場」です。これは市議会が建設を満場一致で可決したとのことです。1998年の除幕式の時には太陽が燦々と輝き、青い文字が浮き上がって輝いたといいます。参加者全員が「第九」を歌って9条の碑をたたえたそうです。他国の憲法の碑をつくり歌っているのですよ。トルコにもほしいと2015年にできましたにトルコのチャナッカレにも「広島・長崎広場」ができ、その一角に、日本国憲法9条の碑が立っています。沖縄読谷村にも9条の碑があり、日本には14の碑があります。世界中が9条の精神で満ちていると信じたいですね。

<太田昌秀さんと栗原貞子さんのこと>

 沖縄県の知事をしていた太田昌秀さんは、沖縄が戦争の頃、師範学校の学生でしたが、鉄血勤皇隊に組織され「死ね」と教えられた。アメリカの艦砲射撃や戦車に追われて、水際で海に飛び込んだ。海岸へ打ち上げられて気がついたとき最初に目に入ったのが、石を押しのけてのびている1本の草でした。草についている1粒の露を取って「生きる」と書いた。これが太田さんの原点でした。死ぬことばかりを教えられてきた太田さんは、知事の時代に「平和の礎」を建設して、沖縄戦の死者の名前を刻みました。日本人も外国人の死者もふくめています。
 広島の原爆詩人、栗原貞子く1913~2005)さんは、「生ましめんかな」の詩で有名ですが、内容は避難した地下室で産気づいた女性がいたときに、私が産婆ですと自分の怪我を顧みず赤子を取り上げ、(詩の中では)自らの命を落とすのですが、この栗原さんの記念碑にはこの詩が刻まれ、別に長女・真理子さんが両親にささげた9条の刻まれた碑もあります。9条は人が生きる生命です。愛知にも9条碑ができませんか。

<中米のコスタリカのことと日本>

 さて次に、中米のコスタリカを紹介しましょう。平和憲法を維持している日本と。コスタリカ共和国にノーベル平和賞をという運動がありますが、コスタリカでは、1949年に軍隊の廃止を決定。国境の警備隊などを残して、平和憲法を持っています。国連の核兵器禁止条約の主役もコスタリカです。20年前から核兵器廃止の条約案を出しています。
 今年は国連で122か国が賛成して採択されました。但しそこには、日本政府の代表はいません。世界の国々が不思議に思ったことでしょう。空席の日本の席に折り鶴が置かれ 「あなたがここにいてほしい」と書かれていました。これは世界中の人々の意思です。
 日本政府はそれを踏みにじったのです。そして、トランプの来日です。いま戦争につながるような事態が心配です。安倍首相は北朝鮮と対決姿勢です。抑止力強化のために軍事強化の「積極的平和主義」です。本来、積極的平和主義は、差別、貧困、人種、難民などが原因となって、戦争につながる可能性が強いので、これらを取り除くという考え方です。
これは、ノルウェイのヨハンガルノトング博士が提唱したものです(安倍首相の使い方と正反対の考え方)。

<アリアス大統領の考え方>

 そこで、コスタリカのオスカル・アリアス大統領の考え方をみると、平和を維持するためには、自国のみではなく、周辺国の平和が必要であり、話し合いで問題を解決することが必要である。そのためなら場所の提供などはたやすいことですと述べています。
 こうして、アリアス大統領は三つの戦争を終結きせて、中米平和の成立の功績者となり、1987年にノーベル平和賞を受賞しています。彼をコスタリカから日本へ招いたことがあります。日本のカンボジアヘのPKO派遣について、本当に軍隊をなくした国なら、軍服を着た人の派遣は嫌われる。医者や看護婦を送れ。次に水田耕作のやり方を教えるために農民を送れと言いました。食料の増産をして、メシが食えれば戦争はなくなる。そして将来は教育です。先生を100人送ることです。こういう市民の運動があれば、日本の国への評価が変わるのでは!と語ってくれました。

<大学生が大統領を訴える>

 またコスタリカでは、アメリカのイラク戦争を支持するコスタリカの大統領の姿勢について疑問を持った大学生が「大統領は憲法違反」として最高裁(憲法裁判所)に訴えるということもありました。そして、1年半後に学生が全面勝訴をするのです。判決は、大統領は憲法や中立宣言などに違反し違憲であるとし、アメリカの戦争を支持した大統領の発言を取り消すことを命じたのです。コスタリカではこうして沢山の憲法裁判も行われており、憲法の危機を救う市民の活躍もあり、平和や人権感覚も暮らしの中に根付いています。



<市民の政策で、歌って対抗を>

 日本では、9条の危機でも、原発のことでも攻府が言い逃れをしています。政府のウソを見抜いて対抗するためには市民が政策を練る必要があります。バルト3国では、「歌う革命」と言ったりしていますが、30万人が集まって民謡を歌い、次には200万人が集まって、人間の鎖をつくったりするのです。韓国はどうでしょうか。朴大統領は身内のみいい思いをする巨大なスキャンダルです(日本も似ていますが)。しかし、大統領を追い詰めたのは市民の力です。最初の30万人位の集会が、どんどん大きくなって、230万人ぐらいがソウル市の街を埋めたのです。そこで国会は、大統領の弾劾を可決しました。
 選挙ではなく市民の行動力なのです。おとなしい日本の市民が「戦争法」で集まった。これが韓国の市民に影響したのです(昨日、11月3日は、東京で4万人が集まりましたが)。韓国では280万人もの大集会・デモでした。そして大統領の「下野ソング」を歌うのです。これは「犯罪者は天国。庶民は地獄」というように、歌いまくるのです。それからネットの力が大きいですね。年配の方ももっと利用するといいのです。韓国では、最初から、新聞の記事などは信用しないで自分で発信していますね。スマホを買って利用すれば若い人は喜んで教えてくれます。
 北朝鮮の核問題がありますが、東アジアの平和問題を考えるとき、日本に憲法9条があることが大切なのです。戦争になってしまえば、アメリカが勝つに決まっています。
 東アジアの平和のためにも、憲法を守りぬきたいものです。

<市民が集まって「声」をあげよう!>

 沖縄県の宮古島では、自衛隊の誘致を市議会が可決したのですが、それはおかしいと反対する議員が宣伝カーで市民に呼びかけて、市役所の前に3500人が集まり、採決への抗議をしたら、白紙撤回されたのです。いま、日本全国に必要な事は皆が考えて集まり声をあげることです。私たちは立ち上がろうではありませんか。(文責は編集部です)