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尾張旭九条の会が「若者の今」を知る集会

2010年02月19日 | Weblog
 「九条の会・尾張旭」では2月14日(日)午後、「もっと知ろう 若者の今」をテーマに「しゃべり場」(ミニ集会)を開催しました。

 「九条の会・尾張旭」から以下のような報告が届きましたので、紹介します。

 この会は、貧困と格差による閉塞感が「憲法9条の壊憲」につながりかねない。「31歳、フリーター。希望は、戦争!」「戦争という手段を望まなければならないほど社会の格差は大きい」「私たちにとって戦争とは現状をひっくり返せる希望の星・・・」(『論座』2007年1月号)。

 そんな絶望する若者を生まないためにはどうしたら良いか。

 若者の就職状況や労働現場の状況はどうなっているのか?高校講師の富田里美さんと中学校教師の城山喜男さんから若者の現状を聞いて、私たちに何ができるのかを一緒に考える場にしたいということで行われたものです。

 この「しゃべり場」には30名が参加、報告いただいた講師のお2人も一緒に、32名でしゃべり、考え合いました。

<若者に自己責任を押し付けるのは間違い>

 報告や意見の特徴的なものを挙げますと、

・高卒に仕事がない。就職試験に3回も落ちると子ども達の士気も落ちてしまう。そもそもお金のない家の子も多く、貧困の再生産につながりかねない。

・大学に行きたいがお金が無い、という子は奨学金を借りる。卒業時には平均700万円(月々返済4万円)の借金を抱えているのが現状。

・就職しても半年くらいで辞めてしまう子も多い。「自分に合った仕事がしたいから」というが、実際に働いてみることなしにはそんな仕事は見つかるものではない。

・中卒で、進学もしないが就職もしない、という子も出ている。友達関係がうまく作れない子も、将来どう社会に入っていけるのか心配。

・学校では職業教育はしていない。入ってから育てる職場であって欲しい。

・就職しても育てるシステムのない会社が多い。特に中途採用で入ると入ったその日から即戦力として指示され、働かされる。(転職経験ある若者)

・職安に行っても仕事は本当に少なく、仕事を探す人で溢れている。「仕事が無い」「会社がつぶれそう」「でも特技は持ってないし」という声を同級生からよく聞く。(若者)

・自分は典型的な高学歴ワーキングプアー。大学院を出て中学校の講師をしているが、1コマ3000円。年収120~130万円。でも結構やっていけている。(若者)

・人育てを全くしない職場が増えている。何とかしなければ。

・でも私の所の様な中小製造業では一人何役も兼ねて働かねばならず、育てる余裕がない。

・大企業に勤めているが、職場では少ない人数でこなしているので教える余裕が無い。また、優秀だが応用力の無い若者が増えている、と感じる。

・教わるほうもやる気を見せて頑張ってほしい、と感じる場合が少なくない。

・大企業勤務。一昨年、6~7年も働き続けてきた人も対象に派遣切りがあり、その後昨夏から期間社員をまた入れて働かせている。仕事があるなら常用にすべき。こんなことがまかり通る世の中はおかしい。人間を大切にする考え方が薄れている。

・「自己責任」が言われるが、ウチの学校の生徒の三分の一は出発点から落ちこぼれ。授業料も払えず、どうやって食べているのだろうと思うような子も少なくない。「努力」を言うだけではどうにもならない状況がある。(教師)

・次の世代が安心して住める社会にするには、底上げこそが必要。退職して時間に余裕の出たものが若い人たちのために頑張らなければ、と思っている。

・「事業仕分け人」に、防衛予算を削って学校で職業教育や資格取得ができるよう予算を振り向けてちょうだい、と言いたい。

 と問題がいっぱいあることがわかりました。

<「しゃべり場」に参加した人が九条の会会員に>

 若者をめぐる問題について心配している人、話し合う場を求めている人は少なくないようで、こうした催しは始めて参加という人も含め、予想以上に多くの方に参加いただき、32名中17名が発言されました。

 終了後のアンケートでも「九条の会でこのような話をする機会を設けていただいてありがたく思いました。今後もいろいろな話ができるとよいと思います」とのご意見をいただいています。
 
 会員も1人増えました。昨年10月に同様なテーマで講演会を持った折、会場周辺に配ったチラシを見て参加してくれた方に今回も手紙でお誘いしたところ、参加して発言もしてくれ、「九条の会」に入会もしていただけたものです。

 最後に、「九条の会」とはこれまで何の縁もなく、会員からの声かけで参加してくれた自称「高学歴ワーキングプアー」の若者がアンケートに書いてくれた声をご紹介します。

・このような会は初めてでしたが、思ったよりも面白いものでした。普段は駅前で旗を立てて叫んでいるあまり好ましくないイメージしかなかったので、その分新鮮でした。

・ビラ配りなどの広告活動よりこういった活動の方が重要だと思いますので、その質を上げることができればよいと感じました。」